2020年までに最大3000億ドルに達する見込みの中東投資家による対中国投資
(2007年9月18日掲載)

 2007年9月4日、ドバイで中国工商銀行(ICBC)とDIFCが主催者となって開いた「中国・中東フォーラム」に参加したメリルリンチ証券のスーフィアン・ズベリ/アジア・エクイティ資本市場部長は、インタビューに答えて、「中東、特に湾岸の投資家による中国のエクイティへの投資額が、アジアとの関係を構築し高い収益率を確保しようとすることから、2020年までに最大3000億ドルに達する」との見方を明らかにした。


 さらに同CEOは「現在、中東の投資家は我々が取り扱うアジア諸国の全てのIPOの15%相当を獲得している」と述べ、既に中東の投資家のアジア投資が増えていることを指摘した。ブルームバーグ集計したデータによれば、2006年のアジア・太平洋地域のエクイティ販売額は1900億ドルに、また買収額は6470億ドルに達している。また中国の株式指標であるCSI300は、2006年にほぼ3倍増を記録している。


 こうしたなかシェイク・ムハンマド・ビン・マクトゥームUAE副大統領・首相兼ドバイ首長は、2007年9月上旬、ベトナムと中国を訪問し、経済・貿易・投資関係の強化に向けて両国首脳と協議している。ズベリ/アジア・エクイティ資本市場部長も「湾岸諸国とアジア諸国は政府同士の活動が活発化しているが、双方の政府の相手国への認識が高まるにつれ企業間の交流も活発化しよう」「湾岸の企業やSWF(ソブリン・ウェルス・ファンド)は中国のエクイティ投資に対する最大の外国勢となっている」「湾岸の投資家にとって中国のIPOの問題は、規模が2億ドルから3億ドルと彼らの基準からすれば少額過ぎる点である」と述べ、政府要人の交流も湾岸のアジア、中国投資の拡大に貢献していると説明している。


 他方、ドバイのシンクタンクであるGRCのアブドゥルアジズ・サグル会長は「文化的格差が壁となっている」「共通の言語の欠如や相互のビジネス文化に関する知識の不足が、経済のさらなる拡大を阻害しかねない」と警告している。中国からの参加者も「双方は効果的なコミュニケーションを欠いている」「我々は文化的背景を理解すると共に、中東の投資ファンドについてももっと調査しなくてはならない」と語り、アブドゥルアジズ・サグルGRC会長の見方に同意している。

(9月14日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)