イランの油田開発が先送り
(2007年10月26日掲載)

◆ イランの核開発問題が益々エスカレートする中でイランのAnaran鉱区開発が先送りされた。同鉱区開発は、ノルウェーのHydro社(10月1日より、同社の石油・ガス開発部門はStatoilと経営統合し、新社名をStatoil-Hydro)とロシアのLukoilにより共同開発が行われることになっていた。今回、両社からの発表はプーチン大統領のイラン訪問直後の発表であるだけに、ロシアからイランに宛てた強い政治的メッセージであるような印象を受ける。


◆ Anaran鉱区開発にいたる経緯

2000年 Anaran鉱区開発についてHydroとイラン国営石油公社(NIOC)が契約調印
2003年3月 Lukoil Overseas参入
2003年9月 3社による正式契約


◆ 開発契約の概要

鉱区の概要: この鉱区はAzar構造の探査・試掘で発見された油田で、この数年では最大級のひとつ。
推定埋蔵量は10億㌭。非公式には25億㌭という説もある。
商業ベースでは10万b/dの生産が見込めるという。
探査権益: Norsk Hydro 75 %
Lukoil Overseas 25 %
探査投資額: Norsk Hydroの投資額は4,950万㌦
探査対象鉱区: 有望な4つの油層
・Azar
・Changuleh-West
・Deloran
・Musian
操業見込: 2010年までに10万b/d


◆ 開発の現状

 2006年6月、Anaran鉱区のAzar油田の商業生産契約にに調印。以降、マスター開発計画の契約をめぐり協議を重ねてきたが、ここにきて先送りされた。Norsk Hydroの探査プロジェクトが開発及び操業契約につながれば今後さらに10億㌦以上の投資が必要となる。商業ベースでの可採埋蔵量は原始埋蔵量の16-24%の範囲で3.2-4.8億㌭。


◆ StatoilとNorsk Hydroの統合と米国の制裁問題

 外交ルートによる米国の圧力やNorsk Hydroの石油ガス開発部門がStatoilに統合されることにより、米国の制裁法による罰則(年間20百万㌦以上のエネルギー分野への投資)適用を懸念した可能性もある。統合により、イラン向投資額が膨らむことになるからだ。統合後の開発案件をみると、

【旧Norsk Hydro】 Anaran鉱区探査契約
          Khorramabad鉱区探査・開発契約
【旧Statoil】    South Parsガス田 6~8開発契約
          油田開発契約(Ahwaz, Marun, Hakimeh)

以上

(幹事 中嶋 猪久生<なかじま・いくお> )