「超重質油やバイオ燃料は在来型燃料の補完資源」と見るサウジ石油専門家

(2007年10月5日掲載)

 元サウジアラムコ副社長で現在はエネルギー・コンサルタントとして活躍中のサダード・アル・フセイニ博士は、今から約1ヶ月前の2007年9月上旬、ロンドンのセミナーで「サウジアラビアの石油・天然ガスを基盤とする産業の見通し」と題する講演を行ったが、その中で、超重質油やバイオ燃料の今後の見通しについて説明した。以下では、同博士の講演から超重質油やバイオ燃料の今後の供給量の見通しに絞って紹介することとしたい。


 サダード・アル・フセイニ博士は、超重質油やバイオ燃料は極めて重要な補完的なエネルギー資源ではあるものの、在来型燃料を補完するエネルギー資源とはなり得ないと考えている。理由は次に見るように供給量に限界があると予測されるためである。


 まず、カナダのオイルサンドだが、ワシントンのエネルギー・コンサルタント会社であるPFCの推計では、2005年の120万B/Dが2020年では、90%の確立で180万B/D程度に留まり、280万B/Dという高い予測を達成する確立は50%に過ぎない。そうであるとすれば、2020年においてもカナダのオイルサンドの供給量は、現在の米国のガソリン及びディーゼルの消費に占める比率にして僅か4%超から7%超に過ぎないことになる。


 次に、米国のバイオディーゼルの2020年の最大供給量も、米国エネルギー情報庁(EIA)の予測では11万B/Dと、現在の米国のガソリン及びディーゼルの消費に占める比率にして僅か1%に過ぎない。さらに、将来の繊維系も含めた米国におけるエタノールの供給量も、ニューヨーク・ポリテック大学の調査では最大73万8000B/Dと、現在の米国のガソリン及びディーゼルの消費に占める比率にして僅か7%に過ぎないことになる。


 つまり、2020年時点では、これらを全て合計しても、現在の米国のガソリン及びディーゼルの消費に占める比率にして僅か12%から15%に過ぎないことになる。

(10月1日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)