クルド自治政府、独自の石油法を承認  外国石油会社が動き出す

(2007年10月5日掲載)

◆8月7日、クルド自治政府(KRG)は北部地域の石油・ガス開発投資法を承認した。この投資法が対象とする地域はエルビル、スレイマニア、ドフーク三州の自治区及び管理権をめぐり論争が続くキルクークを含むとしている。


◆新たな投資法による開発契約の内容は、

探査期間: 5年、以降1年ごとに更新可、最長7年まで。
契約方式: 生産物分与契約(PSA)
ロイヤリティ: 石油生産の10%
投資コストの回収: 石油プロジェクト    上限  45 %
天然ガスプロジェクト  上限  60 %
KRGの権益: KRGの参加権益は10~25%


◆KRGによる石油・ガス投資法が承認される前からKRGは数社の外国石油会社と開発契約を締結してきており、そのうち3社が試掘・探査を進めており、出油に成功したり、有力な油層を発見している。具体的には、

DNO
(ノルウェー)
Tawke油田産原油は年内には陸路トルコに搬送される定。新たな鉱区でも油層を発見。
Venerex Energy
(カナダ)
Ghadamas堆積盆で二本目の油層を発見。
Addac Petroleum
(カナダ/スイス)
Taq-Taq油田、推定埋蔵量12億㌭、近く10億㌦の開発計画が提出される。2010年までに約20万b/dの生産予定。
Hunt Oil
(米国)
石油・ガス開発に調印。開発対象地域はドフーク。
2008年には試掘に入る計画。


◆今回、新たに2つの石油会社が開発契約を締結

 2社との4件の投資は石油開発で5億㌦、製油所建設で3億㌦。

Heritage Oil クルド南西部スレイマニア州のMiran鉱区の開発契約。(カナダ) 面積は1,015平方㌖。この鉱区の近郊にKRGと折半で2万b/dの製油所を建設する計画。2008年には探査・試掘を実施。

なお、2005年9月、Heritage Oil社がKRGとの間で北部地域の調査・探査の覚書を結んだ。対象地域はエルビル、モスルなどクルド南部地域の地質調査。この時期に同社はエルビルに事務所を開設している。
Perenco SA 北部トルコ国境沿いのSindi / Amedi鉱区の開発。開発対象面積は約2,400平方㌖。

 筆者はHeritage Oilによるこの計画が公表された2005年10月、日本の証券会社を通じ、カナダ・トロント証券取引所に上場する同社株を購入しました。一株13.90カナダ・㌦。情報分析を基に将来性を試してみたかったのです。2007年10月4日終値は54.74カナダ・㌦で約4倍になっています。

以上

(幹事 中嶋 猪久生<なかじま・いくお> )