「知識会議」で将来のアラブ世界の知識・教育の重要性を訴えたムハンマドUAE副大統領・首相兼ドバイ首長
(2007年11月2日掲載)

 ムハンマドUAE副大統領・首相兼ドバイ首長は、2007年10月27日、同日から二日間の日程でドバイにいて開催された「知識会議」の開会演説で、今後のアラブ世界では知識・教育が益々重要となることを訴え、若者のために総合知識複合体を創設する必要があると語った。


 同日、ムハンマドUAE副大統領・首相兼ドバイ首長が提唱した総合知識複合体は、アラブ諸国での失業と文盲の削減を目指したものである。ムハンマド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥーム財団は、中東の知識の道しるべを再度開発することを目指しており、その中核として100億ドルの教育イニシアティブである「現代アラブ知恵の館」(The modern Arab “House of Wisdom”を位置づけている。


 ムハンマドUAE副大統領・首相兼ドバイ首長は、アラブ世界から参加した学者、専門家、大学の学長達、教授を前にして、「今、アラブ・イスラム世界に突きつけられている課題は、改革や開発に留まらず、そもそも本当に生き残れるかという課題である」「我々の知識レベルが、相当程度、これらの課題を克服しうるか否かを決めることになる」と持論を展開した。


 さらにムハンマドUAE副大統領・首相兼ドバイ首長は「失業問題を例に挙げてみよう」「アラブ世界の失業率は15%と世界で最も高い地域である」「今日我々が直面しているのは、現在の失業者の雇用口を見つけることではない」「我々は今後10年間に必要となる8000万人の雇用を見つけようとしているのである」と語り、今後、益々増える若者の雇用先の確保の重要性を改めて訴えた。


 加えてムハンマドUAE副大統領・首相兼ドバイ首長は「各国政府はこの課題を真剣に受け止めねばならない」「当然、我々は奇跡の時代に生きているわけではない」「魔法の解決策も既成の答えもない」「これらを解決せねば、アラブ世界は数百万人の不満を持った怒れる若者で溢れかえることになる」「その結果は、ご想像がつくであろう」と述べ、参加者に注意を喚起した。


 その上でムハンマドUAE副大統領・首相兼ドバイ首長は、課題への対策としてムハンマド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥーム財団による15の新たなプログラムを紹介した。その一部は、①総合知識複合体、②若年アラブ専門家への修士号取得のための奨学金の提供、③高等教育を何らかの理由で断たれた女性向けのオンライン教育の提供、④難民が小規模事業を立ち上げるためのローンの供与等である。

(10月31日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)