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| (2007年5月29日掲載) |
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| ◆ 契約の目処は立たず 2004年10月、イラン国営石油公社(NIOC)と中国Sinopecとの間でヤダバラン油田開発の覚書が締結された。その後、同油田のマスタープランを作成したシェルを含む当事者間で、遅くとも2006年12月末までに契約を結ぶ交渉が進められてきたが、イランの思惑に反して、未解決の問題が多く、正式契約の時期が何時になるのか目処が立っていない。 ◆ 当初の覚書締結時点の開発内容と付帯条件 当初、NIOCとSinopecとの間の合意事項は、
さらに、開発鉱区の地質構造が複雑でシェルの技術力に依存せざるをえない。このためSinopecとシェルの間には、シェルが開発マスタープランを策定する代わりに、シェルが一定比率で開発計画に参加できるという条項が盛り込まれている。 ❶ バイ・バック契約方式の改定問題 日本のInpexによるアザデガン油田開発に当初、参加していたシェルは2004年2月、幾つかの理由で撤退したが、この間、イラン側の手口を熟知したが、このノウハウを生かしてヤダバラン開発交渉で中国を助けてバイ・バック契約の条件を少しでも有利にするべく、中国を助けている。これに対して、イランのバジリ石油相は“魅力的な改定条項”を盛り込むと語っているが、内容的には今までのものと大差はない。 ❷ LNG引取価格 バイ・バック契約に加えて下流問題(LNGの引取)が上流問題(ヤダバラン開発)の最大の障害となっている。イランが呈示したLNG引取価格交渉は決裂したようだ。 ❸ シェル参入の権益比率は20%? イランが“油田開発”とLNG引取りを条件とした形で中国Sinopecを選択したという経緯があり、技術面からのシェルの関与はイランから歓迎されている。シェルの権益比率は20%と報じられている。 ❹ プロジェクト・ファイナンスは可能か? 仮に契約に持ち込めたとしても、欧州銀行によるプロジェクト・ファイナンスの組成は、米国による対イラン金融制裁の発動(Bank Saderat及びBankl Sepah)からみてリスクが大きすぎる。 ◆ イランが抱える政治経済的理由 イラン経済5ヵ年計画(2005~2010年)の枠組みの中で原油生産量を現在の430万b/dから600万b/dに引上げるための核となるのがアザデガンとヤダバランの2油田。アザデガンが大幅な計画遅れで自国企業による開発・生産が進んでもせいぜい3~5万b/d止まりとされる。イランの油田が老朽化し、毎年30~50万b/dの生産減が見込まれる中で、これ以上の遅れは許されない。開発を急ぐ経済的な事情はここにある。 また、核開発技術問題と国連・米国による経済制裁が進む中で、外国石油会社によるイラン向投資は消極的とならざるを得ない。こういう中で、各国の思惑でイラン・シンパを構成する中国・ロシア・インドのパワフル・トリオ以外には見当たらない。 国際社会から徐々にイラン包囲網が出来上がる中で、今こそヤダバラン油田開発契約を一国も早く締結し、包囲網が効果ないことを国際社会に示したい、という政治的な狙いもある。 |
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| 以 上 |
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| (幹事 中嶋 猪久生<なかじま・いくお> ) |