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| (2007年7月24日掲載) |
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7月22日付日経の“気流潮流”という囲み記事でイランのガソリン密輸問題が取上げられている。この中でアフマディネジャド大統領の支持基盤である革命防衛隊がガソリンの密輸に関わっていると書いているが、その背景には次のような事情がある。 ◆ ガソリンの輸入と密輸 イランの2006年財政年度(2006/3/21~2007/3/20)におけるガソリン輸入額は41.73億㌦。ガソリンの供給国はUAE、インド、オランダ、フランス、シンガポール、トルクメニスタン、アゼルバイジャン、スーダン、ベラルーシュ、トルコ、クウェート、台湾、スウェーデン、サウジアラビア、ブルガリア等。このうち最大の供給国はUAEで約62%を占める。 一旦輸入されたガソリンは近隣諸国とガソリン価格を比べるとはるかに安いという価格差があるため、輸入ガソリンの20%近くが秘かに国境を越えて周辺諸国へ密輸されるという図式である。この密輸ビジネスは国境警備に携わるイラン革命防衛隊の協力がなければ不可能で、密輸による最大の受益者は革命防衛隊といえる。革命防衛隊は国境を越えるトラック1台について、あるいはガソリン1㍑あたりいくらという形でピンハネをしているのである。イラクが国連の経済制裁下にあった時、サダム・フセインはイラク原油を陸路国境を越えて密輸していたが、この時もトラック1台あたりいくらという通過料をとっていた。 ◆ イランで何故ガソリンの配給が必要なのか? イランでガソリンの配給制度が導入されたのはイラン・イラク戦争時にイラクがイランの製油所を爆撃した1986年で1991年まで続いた。配給が終ったときのガソリン価格は1㍑あたり50リヤル(4㌣)であった。 政府と議会は補助金漬けになったガソリン価格の値上げと配給問題について明確な政策を打ち出すことなく先送りしてきた。今年に入り、ガソリン価格の一部値上げと販売量の制限を設けることになった。すなわち、
イランでは貧しいため車を所有するイラン人は多くはない。ガソリンの補助金政策は富裕層向けで社会的不平等を減少させるというよりむしろ増幅させる結果をもたらした。国内自動車生産が増加し、輸入品の高品質化に伴い、ガソリン消費量は年率で10%の割合で増加している。 さらにイランの製油所は1990年代後半に石油価格の安い環境下では採算のとれる効率的なビジネスとみなされなかったため、石油製品は自国で生産するよりも輸入したほうが安上がりだという認識が横行していた。その後、低価格のガソリン消費が進み、自動車生産が増えても原油価格高騰の影でガソリン不足が言及されず、危機感も希薄であった。イランは石油精製設備の不足のためガソリン消費量の40%以上を輸入に頼っている。近年、輸入の予算措置として石油安定化基金(OSF)が取崩され、ガソリン輸入に振り向けられてきた。2001年以降顕著になってきており、2006年度では取崩額は約50億㌦とみられている。 |
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| 以上 |
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| (幹事 中嶋 猪久生<なかじま・いくお> ) |