ドバイのシンクタンク(GRC)でイラン政策等を説明したバーンズ米国務省次官
(2007年1月30日掲載)

 ニコラス・バーンズ米国務次官(政治担当)が2007年1月23日、ドバイのシンクタンクの湾岸研究センター(GRC)で、米国のイラン、イラク政策等について大変興味深い講演を行った。以下では、その要旨について紹介することとしたい。

イラク、レバノン、パレスチナ・イスラエル紛争、イランが、中東の平和と安定のために早急に解決の必要な四つの主要課題である。

イランは、米国のみならず国連の192カ国の主要な懸念だが、同国がウラン濃縮を停止するまで和解の見込みはない。

我々が外交的解決を希求しているのは明白である。しかし、イランはシナリオを読み間違えている。

米国は常にこの戦略的地域の安定を気にかけているが、イランはこれに挑戦し地域を支配しようとしている。

米国はそれを起こさせない。米国はイランが中東を支配するのを望んでいない。米国は挑戦を受ければ、必ずしも軍事的手段によらずとも、経済的、金融的、政治的に対応する。

シーア派の支配するイラク政府とスンニ派のGCC諸国は、米国のイラク駐留の継続を望んでいる。

イラク駐留の課題を米国は選択した。米国には責任があり障害を除去するために留まる。イラン、シリアは分裂ではなく統一の代理人となるべきである。

またアラブ世界の人々はイランの軍事力を懸念しており、そのメッセージが米国に伝えられた。イランのマフムード・アハマデネジャド大統領は、核兵器を求め、中東のテロリズムを資金支援し、自国を地域大国と見なしている。

ドバイの米領事館は、学生交換プログラムの推進や看護婦・医師の訓練の斡旋、米国訪問を希望するイラン国民へのビザ発給等によるイラン国民と米国民との人と人との交流を促進している。米国ドバイ領事館は物理的、地理的にイランに近いので、ビザの発給やイランとの関係作り、イラン理解に従事している。


 またニコラス・バーンズ米国務次官(政治担当)は、幾つかの鍵となる質問には次のように率直に答えている。

GCC及びアラブ諸国による最近の平和目的での核開発の動きについては、米国は、インドと平和目的の核技術を共有するという歴史的取引を行ったし、米国は、地球温暖化やエネルギー危機への懸念から原子力発電所を奨励している。

中東で最もホットな場所となりつつあるレバノンについては、フアド・シニオラ政権に差し迫った脅威があるわけではない。同政権を支持していないのはイランとシリアの二つの政権のみである。米国は同政権の敵対勢力への動きを支援するために、近々、財政貢献を発表することになろう。

数十年に及ぶイスラエル・パレスチナ紛争については、イスラエルの安全保障と独立したパレスチナ国家が米国の目標であり、それを可能とすることが全ての人々にとっての利益でもありブッシュ政権にとっても主要な関心である。イスラエルの生存は現実であり、イスラエルは米国の主要なパートナーである。米国はアラブ諸国にそれも受け入れて欲しいと考えている。

(1月24日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)