●ロシア・ウクライナ、エネルギー分野などで協力関係を強化

(2006年12月26日掲載)


1. ロシアのプーチン大統領は12月22日、ウクライナの首都キエフを訪問し、ユーシェンコ大統領と首脳会談を行い、エネルギー分野などでの協力関係を強化することに合意した。プーチン大統領のウクライナ訪問は昨年3月以来のことである。2004年、オレンジ革命により親欧米のユーシェンコ政権が誕生したウクライナは、米欧との協力を進める地域機構(GAUM)の創設へ参加する等ロシア離れを志向する一方、本年初めのロシアによる天然ガス供給一時停止を背景に急速に冷え込んだ同国との関係を今回首脳会議により改善、協力関係を再構築しようとしている。


2. 旧ソ連に属したウクライナ、グルジア、モルドバ、アゼルバイジャン4カ国の大統領は5月23日、ウクライナの首都キエフで首脳会議を開き、米欧との協力を進める地域機構「民主主義と経済発展のためのGUAM」の創設で合意している。本部事務局はキエフに置かれている。こうした周辺国の動向に対してロシアは旧ソ連圏諸国のCISからの分離につながる動きとして反発、警戒感を高めている。タス通信によれば、ロシアは、GUAMの設立は民主主義拡大と安全保障確保のために欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)との関係強化を目指すものと受け止めている。4カ国首脳は自由貿易ゾーン開設を準備する議定書にも署名している。


3. 5月23日GUAM創設の際の記者会見でユーシェンコ大統領は、「CISは有益な活動に欠けている」と述べ、欧州統合に加わる意向を示唆した。しかしながら、実態的にはCISからの早期離脱には多くの困難性があるため、当面は欧米への接近を視野に入れながら、ロシアとの関係強化を併せて進めるという現実的な舵取りを進めることになるとみられる。

以 上

 (幹事 須藤繁<すどう・しげる>)