外交演説で最悪時にはイラン空爆もあり得ると語ったサルコジ・フランス大統領
(2007年8月31日掲載)

 ニコラス・サルコジ大統領は2007年8月26日、世界各地で活躍する同国の駐在大使を前に就任後初となる外交演説を行ったが、その中でイランが核開発を停止するようにとの国際的呼びかけに応じない場合、軍事的に攻撃される事態もあり得るとの極めて注目される発言を行った。


 サルコジ大統領は、仮に対イラン軍事行動が取られる場合、フランスは参加するのか、或いは単にそうした行動への支持表明に終わるのかを演説の中では、明らかにしなかったものの結果は大惨事となると述べた。


 恐らく、軍事攻撃の可能性も排除されないとのサルコジ大統領の発言を、イラン政府は、現在のような国連との対決姿勢を続けた際に生じる結果を警告したものと受け止めていよう。他方、米政府は、軍事攻撃も含む如何なる選択肢も排除されないとの見解をフランス政府が支持したものと見なしていよう。


 サルコジ大統領は、仮にイランがウラン濃縮を停止しなければさらに厳しい国連経済制裁が課せられると威嚇しつつ、イランがこれに応じればインセンティブを付与するとの並行的なアプローチ方法を有効なものと賞賛している。但し、同大統領は今日の国際秩序にとっての最大の脅威がイラン危機であり、フランスは核武装したイランを受け入れることは出来ないとの姿勢を明確化している。


 ところで次期大統領選挙に立候補することを表明している米共和党のルドルフ・ジェリアーノ氏も、2007年8月14日、大統領就任時に実行したいとする外交政策を明確にした論文(「現実的平和」)の中で、経済制裁が効果をおさめなかった場合、米軍によるイラン核施設の破壊が選択肢であると明言している。それだけに今回のサルコジ・フランス大統領の発言内容も、勿論、外交的な威嚇・恫喝という戦術的な側面はあるであろうが気になるところである。

(8月28日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)