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| (2007年4月27日掲載) |
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2月26日、イラクの石油新法が閣議承認され、いよいよ5月末までには議会審議を経て法案制定に向けて動き出した。メジャーによる水面下の動きも活発になってきたようだ。イラクの石油の富はメジャーにとって大きすぎるため見過ごすことはできないのだ。問題はメジャーがイラクへ入るかどうかではなく、何時入るかということである。イラクでのメジャーの動きやクルド地区で先行している外国石油会社の動きをみてみよう。我日本勢はどうなのか? ◆ Royal Dutch Shell (以下Shell) Shellはイラクで長年操業してきた実績を持ち、イラクの復興、特にエネルギー産業への進出を狙っており、治安状況が改善されればイラクに進出すると、公式には表明してきた。しかし、実際には既に動いている。Shellはイラク政府に対し、ガス開発投資に関心あることの意思表示を行っている。ガス開発し、パイプラインを敷設し、トルコ経由欧州に搬送する計画を策定済でアラウィ前首相とかなり突っ込んだ話し合いを行っている。イラクの現政権の下でもガス開発協議を復活させている。Shellはさらに、2005年以降、イラク政府のために天然ガス開発のマスター・プランを描く支援をしてきた。石油開発の分野では、イラク政府の要請を受けて南部のMaysan油田、北部のKirkuk油田の地質調査を行った。 ◆ B P 南部Rumaila油田の地質調査を無償で行い、その資料を入手済。将来の開発・生産量の増加改修に備え、着々と準備中。治安が回復し、イラク政府からの支援要請があれば、同油田の開発を狙っている。 ◆ Lukoil / ConocoPhillips (以下Conoco) 米国のConocoはロシアのLukoilとうまい取極めを結んだ。いわゆる戦略的提携というもので、ConocoがLukoilの株式20%を取得し、ロシアのエネルギー開発で提携するというもの。また、イラクでも両社は提携し、Lukoilがサダム・フセイン政権時代に開発契約を締結したWest Qurna PhaseⅡに持つ権益50%のうち17.5%をConocoが取得することに合意しているのである。両社はイラク石油省と同油田の開発計画について協議を重ねている。West Qurna油田の推定埋蔵量は150億㌭。 ◆ 中国CNPC 中国CNPCの代表団が3月6日、バクダッドに到着し、石油省とal-Ahdab油田の共同開発について協議を行っている。この油田開発契約も上記のWest Qurna油田と同じく、サダム時代の1997年に開発契約が締結されている。当初の計画では、契約期間23年、総事業費7億㌦、生産量は9万㌭が見込まれていた。現在の開発費は10~13億㌦に増加しているとみられる。 ◆ Petrel Resources (アイルランドの石油開発会社) Merjan油田の調査、南部のSubba & Luhais油田の生産に向けてイラク石油省を支援中。次の開発対象油田はWest Desert Block 6。 ◆ クルド地域での開発契約を締結した5件の契約 クルド自治政府(KRG)が単独で開発契約を締結したのは次の外国石油会社。 ・ DNO ・ Addax Petroleum & Genel Enerji ・ Western Zagros ・ PetPrime ・ A & T Energy このうち、試掘により出油をみているのはDNOとAddax Petroleum。 さらに、石油新法が5月末までに成立するまでは、一時的に契約をとどめている案件が10件あるとKRGのHawrami天然資源相は言及しているが、10件に関わる外国石油会社は、Statoil, BG, OMV, Marathon, Anadarko,韓国勢,中国などとされる。 ◆ 英国政府は英国や米国のメジャーのイラク進出を支援 英国政府は英国や米国のメジャーがイラクの石油開発利権を確保できるよう支援しているという。ShellやBP等の多国籍企業の支援を受けているワシントンのシンク・タンクITIC (International Tax and Investment Centre)作成によるイラク石油産業の“ロードマップ”研究と名付けた調査書を駐イラク英国大使がイラク財政相に送付したというのである。この調査書にはイラク政府に対して外国石油会社とのPSA (生産物分与)契約を締結するよう勧告しているとされている。さらにITICは2005年1月、ベイルートで会合を開き、出席したイラク閣僚たちに正式なプレゼンテーションを行っている。この会合には、BP, Shell, ChevronTexaco, ENI, Totalの幹部が参加していた。また、英国の外交官も同席した。まさに、第一次世界大戦後に線引きされた、いわゆる“赤線協定”の亡霊を見るようだ。 ◆ サダム・フセイン政権下で締結された開発契約の取り扱い 石油新法の中で、言及されるサダム政権時に締結された開発契約の対象となる油田は次の3つとされ、改めて検討・協議されるという。 ・ West Qurna (Lukoil)、開発契約 2002年に契約はキャンセルされたという見方もある。 ・ al-Ahdab (CNPC)、開発契約 ・ West Desert (Stroitransgaz)、探査契約 ロシアや中国はこれらの契約は今でも有効と主張しており、契約獲得のためには、両国がサダムに供与した過去の軍事債権(ロシアは約90億㌦、中国は40~50億㌦)の放棄を餌に使うだろう。 |
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| 以 上 |
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| (幹事 中嶋 猪久生<なかじま・いくお> ) |