イラク中西部にガス田発見
(2007年4月17日掲載)

 4月に来日したイラクのシャハリスタニ石油相は、10日、日経新聞との取材の中で、「イラク中西部の砂漠地帯にあるアッカス(Akkas)で有望なガス田が見つかった」ことを明らかにした。今後数年以内にガス田を開発し、アッカスからシリアを経由のパイプラインを敷設して欧州へ輸出する計画という。


 このアッカス・ガス田発見のニュースを何故日本来日の機に発表したのか、その意図ははっきりしないが、開発をやらせてほしかったら復興支援を早めてとでも言うのであろうか? 実はこのアッカスを中心とする鉱区の探査結果は一部の報道機関により既に2月には確認されているのである。以下はその内容。


欧米の石油会社やイラクの専門技師の間ではスンニ派地域に油徴のあることは以前より知られていた。イラク政府の要請に基づき、外国石油会社(企業名については不明)とイラク石油省の技術専門家によるスンニ派支配地域で地質調査が密かに行われた。その結果、相当量の石油・ガスの埋蔵が確認された。

有望とされる油田はイラク南部、サウジとの国境北部のニネベ州から走る油層にあるアッカス油田である。

今回の発見に関して、イラク石油省の関係者は次のように語っている。
調査対象地域はバクダッド北部のタジ(Taji)から南東地域間での一連の未開発地域に伸びる鉱区。この鉱区での可採埋蔵量は約150億㌭。
イラクの確認埋蔵量は1,150億㌭であるが、今回の調査により150億㌭増加した。
スンニ派が支配するニネベ、アンバルの両州からは天然ガスの増産も見込める。量的には石油換算で10万b/d。


 2月26日の閣議で承認され5月末までに国民議会の可決を目指す「石油新法」の中で、人口比に応じて地域ごとに石油とガスの収入を配分する、と規定している。イラクでは石油資源が北部クルド地域と南部シーア派地域に集中し、中西部のスンニ派地域には少ないとされてきた。今回の石油・ガス田の発見はこの法案に微妙な影響を及ぼすことになるだろう。


 クルド自治政府の天然資源相で自らも鉱山学の専門家であるハウラミ博士は、中西部にも石油の埋蔵はあるのだ、ただ、中央政府が探査・開発の努力をしないだけだ、と以前語っていた。

以 上

(幹事 中嶋 猪久生<なかじま・いくお> )