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| ●イラン経済 その⑤ 後退を余儀なくされるエネルギー分野のプロジェクト |
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| (2006年11月28日掲載) |
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イランの核開発問題が緊迫する国際情勢の中で、エネルギー関連プロジェクトが大幅な後退を余儀なくされている。その理由は、
などが挙げられる。具体的に遅延が発生しているエネルギー関連プロジェクトとその背景、国際金融市場でのイランに対する評価をみてみる。 ◆ 遅延するプロジェクト 現時点で工期の遅れが出ているのは石油及びガス開発部門で次の通りである。
◆ 資金調達の遅れ この数年間、拡大するエネルギー関連プロジェクトの資金調達に伴い、イラン・ビジネスは銀行にとって魅力的であったが、核開発問題や国連による経済制裁の可能性も高まってきたことから、プロジェクト・ファイナンスも失速し始めており、貿易金融にもその影響がみられるようになった。核問題が深刻化する前と後にはその影響がはっきりと出てきている。核問題が発生する直前の資金調達の事例は次の2件。
しかし、核問題が深刻化して以降、イランの将来を担う3つの大型LNG(上記❸)プロジェクト・ファイナンスが頓挫し出している。通常であれば、この3プロジェクトのうちの一つは今年前半にも建設業者の選定と資金調達計画は出来上がっていたはず、と国際金融筋は語っている。いずれも国際石油資本が関与し、資金調達計画もロンドンの国際金融機関を中心に進められる計画になっていた。3つのLNGプロジェクトのfinancial adviserは次の通りである。 Pars LNG BNP Paribas (フランス) Persian LNG Societe Generale (フランス) NIOC LNG 香港上海銀行(HSBC、英国) エネルギー開発には巨額な資金が必要とされるため資金調達能力を持つ銀行の存在が不可欠で、また、同時に銀行はプロジェクト・ファイナンスのノウハウを持っていることが求められる。イランの国営銀行には自国の大型プロジェクトに融資するだけの機能も能力もない。2005年、South Pars 17-18及び21-22の開発プロジェクトの資金調達でイラン最大の国営商業銀行Bank Melliを中心とするイラン地場銀行団のコンソーシアムが結成されたが、イラン国営石油会社(NIOC)はこれを無視し、国際銀行団に声をかけたくらいである。イランの銀行がサウジアラビアやカタールのように金融面のノウハウを持つまでには長い道のりが必要なのである。 ◆ イランの格付 先進諸国の輸出信用機関(ECA)による与信供与の場合に参考とされる指標はOECDの国別リスク評価(8段階評価で「0」は最もリスクがない、「7」は最も危険度が高い、とする評価方法)であり、この評価によればイランは上から5番目の「4」。 日本を含む欧州各国のイラン向ECA枠はほぼ一杯となっており、核問題が深刻になるにつれて新規の輸出信用供与が実施されたというニュースはない。従来の積極方針から「慎重な対応」に転換している。 ロンドンの格付機関Fitchは本年2月、イランの格付(Sovereign Risk Rating)を「BB-」から1ノッチ引下げ、「BB-」Negative outlookとした。引下げの理由として以下の要因を指摘している。
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| 以 上 |
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| (幹事 砂野民男<すなのたみお>) |