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| (2012年1月31日掲載) | ||
<イラン原油の輸入減少時のスリランカ支援を検討中のオマーン> スリランカの政府高官は、2012年1月27日、イラン原油の輸入が減少した場合、オマーンが支援策を検討中であることを明らかにした。スリランカのスシル・プレマジャヤンサ石油相がオマーンのムハンマド・ビン・ハマド・アル・ラムヒ石油相との会談後語ったもの。 コロンボを訪問したオマーンのムハンマド・ビン・ハマド・アル・ラムヒ石油相は、新たな原油の供給先を探すスリランカのスシル・プレマジャヤンサ石油相と二日間に亘り協議を続けていた。スリランカ石油省の高官は匿名を条件にロイター通信に、「両大臣はスリランカがイラン原油を輸入出来ないような危機の時に、オマーンがどのようにしてスリランカを支援するのか詳細に話し合った」(ロイター通信 2012年1月27日)と述べ、オマーンが緊急時にスリランカを支援することが協議されたのを確認した。 スリランカは輸入原油のほぼ全てをイラン原油に依存しており、特に精製能力5万B/Dのサプガスカンダ製油所はイランの軽質油のイラン・ライト、或いは同様の油種であるアラビアン・ライトを精製するのが最適なように建設されている。因みに、オマーンのムハンマド・ビン・ハマド・アル・ラムヒ石油相は、2012年1月26日にスリランカ入りし、スシル・プレマジャヤンサ石油相と協議後、マヒンダ・ラジャパクサ首相、バシール・ラジャパクサ経済開発相とも会談している。 スリランカもインドが2011年12月までイラン原油の輸入用に採用していたアジア決済同盟(ACU)システムを使っていた。しかし、インド同様、米国の制裁のために同システムを使うことが難しくなり、その他の支払い方法を模索しているところである。因みに、アジア決済同盟(ACU)システムというのは、南西アジア等のインド、バングラデシュ、パキスタン、スリランカ、モルジブ、ブータン、ネパール、ミャンマー、イランの中央銀行が加盟する二国間貿易決済のためのシステムを指す。 スリランカ政府にはイラン原油の輸入についてオバマ米政権に適用除外を求める道も残されている。しかし、その場合、同国にとって4番目の輸出相手国であるイランとの全般的な経済関係の縮小を求められるのは必至なので、政治・経済的に受け入れは困難と思われる。オマーンがイラン原油輸入分を代替供給してくれるのであれば、スリランカにとって何ら問題は生じないことになる。それだけに最終的にどのような合意内容となったのか興味のもたれるところだ。 <イラン原油の代替供与をトルコに示唆したサウジアラビア> サウジアラビアを初めとするGCC諸国とトルコは、2012年1月28日、イスタンブールで会合を開き今後の協力策などについて協議した。その過程でサウジアラビアがトルコのイラン原油輸入削減分を肩代わりする可能性が出て来た。トルコのイラン原油への依存率は通常30%強だが、リビアからの原油供給が止まった2011年の一時期は51%にまで急上昇した。 米国の新たな制裁に対するトルコ政府の姿勢は、一方的な制裁には従わないというものである。しかし、イラン原油を輸入するトルコ企業Tuprasの反応は政府とは違っており、米国が過去に導入したイラン制裁を順守してきた。理由は明白である。Tuprasを持つトルコの最大のコングロマリットであるコチ・ホールディングが米国企業と手広く事業を展開しているからだ。 原油調達先の分散化を迫られたTuprasだが、その他諸国が購入量を増やしつつあるロシアには余り依存したくないと考えている。そうした事情を熟知するサウジアラビアは、GCCとトルコの会合でトルコほかの諸国のイラン原油の輸入量が減少した場合、埋め合わせる用意のあることを仄めかした。但し、サウド・アル・ファイサル外相は、同会合でも、サウジアラビは均衡する石油市場を欲しているとの間接的な表現で仮に供給不足が起これば補う可能性のあることを示唆するに留めている。いたずらにイランを刺激しないためと思われる。 トルコ政府が既に緊張した状態にあるイランとの関係をさらに悪化させたくないと考える一方、シリア原油の購入を停止済みのTuprasは早急に新たな調達先を確保する必要に迫られている。因みに、同社の原油輸入量は約55万B/Dに達する。Tuprasの窮状を知るトルコ政府は、オバマ米政権に対して自国の石油会社に対する例外扱いを求める意向を示している。 サウジアラビアに対してはスペインのレプソルYPFやイタリアのENIも供給増を要請している。さらに、日韓中印もサウジ原油の手当てに走ることが予想される。そうなれば今後サウジ産の原油価格が高含むのは必至である。そうであるとすれば、Tuprasとしても早めにサウジ原油の購入に踏み切らねばならないだけにトルコ政府の動向が気になるところである。 |
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| (1月30日、記) |
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| <関連情報> ●欧州連合(EU)によるイラン原油の禁輸措置に対抗してEU向け原油輸出禁止法案を検討するイランと3日間の日程でテヘラン入りしたIAEA調査団【2012/1/31】 ●イラン原油の輸入停止という最悪時のシナリオへの対応策の検討を開始した南アフリカ【2012/1/27】 ●イラン通貨の急落によるインフレ高進や米ドル不足の回避に向け政策を変更して預金金利の引き上げを決めたアフマディネジャド大統領【2012/1/27】 ●欧州連合(EU)によるイラン制裁を巡る各国の動向:豪州・スペイン・中国・インド【2012/1/27】 ●今後を予想する上で極めて重要なイランを訪問する国際原子力機関(IAEA)高級調査団へのイラン政府の対応【2012/1/27】 ●原油の全面禁止措置を含む新たなイラン制裁を決定した欧州連合(EU)外相理事会【2012/1/24】 ●緊張緩和を目指すように「米海軍艦船は長年に亘り湾岸・中東に派遣されてきた」との声明を発表したサラミ・イラン革命防衛隊副司令官【2012/1/24】 |
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| (幹事 畑中美樹<はたなか よしき>) |