ゼネストは終了したもののイスラム過激派「ボコ・ハラム」による連続テロの発生したナイジェリア
(2012年1月27日掲載)

<連続発生したイスラム過激派「ボコ・ハラム」によるテロ事件>

 ナイジェリア北部カノ州の都市カノで、2012年1月20日、地元の警察本部や警察署、入国管理施設、パスポート事務所など合計8ヶ所で連続爆破テロ事件が発生し、少なくとも178人の死亡が確認された。イスラム過激派「ボコ・ハラム」が新聞社に電話をかけ犯行を認めている。ナイジェリア政府は同日、非常事態宣言を発布しカノ市内を24時間外出禁止とした。

 西洋の教育は違法との意味を持つ「ボコ・ハラム」は、2002年に結成されナイジェリアにイスラム法(シャリーア)を適用することを主張し活動を続けてきた。「ボコ・ハラム」のテロ活動は軍の取締りの強化が奏効して2009年には一旦下火となったものの、2010年から再び活動を活発化していた。特に、過去数ヶ月に亘り教会や警察署への襲撃を繰り返しており、2011年12月25日に「ボコ・ハラム」によると思われる教会襲撃事件が相次いだほか、2012年1月6日にもキリスト教会が次々と襲われる事件が起きていた。

 ジョナサン大統領は、2012年1月8日の時点で、政府・議会・治安組織内にもボコ・ハラムの構成員や共感者がいるとして警戒を強めていた。同大統領は事件から二日後の1月22日、カノの病院を訪れ、テロリストを一掃するまで手を休めないと述べ、「ボコ・ハラム」との対決姿勢を改めて鮮明にしている。


<ガソリン価格の引き下げ発表で中断されたゼネスト>

 労働組合によるゼネストに頭を悩ませていたジョナサン大統領は、2012年1月16日、遂にガソリン価格をそれまでの約3分の2に引き下げることを明らかにした。これにより1月9日から続いていたゼネストはひとまず中断されることとなった。

 発端はナイジェリア政府が、2012年1月1日、燃料補助金の打ち切りを発表したことだった。この結果、例えば、ガソリンの小売価格は1リットル当たり約150ナイラ(約71円)とそれまでのほぼ2倍の水準に急騰してしまった。この事態を受けてナイジェリアの数万人の労働者が1月9日からゼネスト入りする事態に発展した。1月10日には労働相がストは違法であるとの理由で国営企業のスト参加者の給与差し止め方針を打ち出したことから、労働者側も態度を硬化させてしまった。例えば、1月12日には主要労働組合が原油及び天然ガスの生産を三日後の1月15日から停止するとの警告を発している。

 当初、ジョナサン大統領は補助金の打ち切りで節約可能となる約80億ドル(年間)を道路の補修、教育・保険面の改善に充当するとして国民の説得を試みていた。しかし、節約した資金も結局は政治家が不正入手することを懸念する労働者が、補助金打ち切りを撤回するまでゼネストを続けるとして頑強に抵抗を続けたため政府側も譲歩案を示さざるを得なくなったと言える。

(1月25日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか よしき>)