スーダンによる無断での輸出向け石油の取得に抗議して生産の停止を発表した南スーダン
(2012年1月24日掲載)

 2011年7月9日にスーダンから分離独立した南スーダン政府が、2012年1月20日、スーダンによる無断での輸出向け石油の取得に抗議して生産を今後2週間以内で停止することを発表した。因みに、南スーダンは現在約35万B/Dの産油量を誇るが全量をパイプラインでスーダンのポート・スーダンに運び、そこから輸出を行っている。

 スーダン政府の高官は、前週、係争中のパイプライン使用料の不足分を補てんするためとして輸出向けの南スーダン石油の一部を取得していることを明らかにしていた。このためパイプライン使用料を巡る交渉の南スーダン側の責任者であるパガン・アムム責任者は、2012年1月17日時点で、「これは輸送中の財を盗むと言う国家による海賊行為であるし国際法違反である」「南スーダンは、スーダンによるこうした一方的な行動が交渉を崩壊させることを懸念する」(AFP通信 2012年1月18日)とのコメントを寄せていた。

 石油生産の停止を明らかにした南スーダンのエリザベス・チャールズ石油鉱業省次官は、次のように語り、スーダンの違法性を指摘している。

パイプライン通過料に関する協定をスーダン政府と結ぼうと努力してきたが失敗に終わった。
このため南スーダン政府は1月20日から石油生産を一時的に停止する。
生産の再開日は現時点では分からない。
スーダン側はパイプライン通過料として1バレル当たり36ドルを要求している。
南スーダン政府は同要求が国際基準と合致しないと考える。

 他方、スーダン政府も同日次のような声明を発表し、悪いのは南スーダンとしている。

南スーダンの今般の決定は両国の利益を損なうものであった。
南スーダンがスーダンとのパイプライン通過料の合意を先延ばしすれば、スーダンは自国領土を通り輸出される南スーダンの石油の一部を差し押さえて行く。

 両国の係争に頭を痛めているのが、双方と良好な関係を持つ中国である。劉為民・中国外務省報道局参事官は、2012年1月21日、石油が両国にとって命綱である点を改めて指摘すると共に、冷静と自制を維持して早急に話し合いで解決することを促している。因みに、中国は2012年1月中旬にも李源潮・中国共産党組織部長を両国に派遣しているし、2011年12月にも調停のために外務省特使を両国派遣している。

(1月23日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか よしき>)