サウジアラビアが2012年度の歳出予測額を均衡させるには1バレル当たり74ドルの油価が必要と見るジャドゥワ投資社
(2012年1月6日掲載)

 サウジアラビアの著名な投資企業ジャドゥワ投資社は、今般、サウジアラビアの2012年度予算に関する報告書を発表し、2012年度に実際に予測される歳出を均衡させるには1バレル当たり74ドルの油価が必要との見方を明らかにした。同社が予算を均衡させるには、74ドルは必要とする根拠ほかは以下の通りである。

2012年予算上の石油収入に必要なサウジ原油輸出価格は、1バレル69ドルである。
但し、実際の原油価格は予算上の価格を上回ると予測されるので、2012年の石油収入は7440億SR(1984億ドル)になろう。非石油収入は800億SRと予測される。従って、歳入は8240億SRと予測される。
他方、歳出では、過去10年、実際の歳出額は予算上の歳出額を平均24%も上回ってきた。このため2012年の実際の歳出額も7330億SRと予算上の6900億SRを若干上回るものと予測される。
その結果、財政黒字は910億SR(約243億ドル)となると予測される。
財政黒字910億SRは、予測される国内総生産(GDP)の4.5%に相当する。
尚、前提となる2012年の産油量は880万B/D、国内消費量は240万B/D、従って、輸出量は640万B/Dである。
2012年に予測される実際の歳出額に必要な石油収入を得るには、サウジ輸出原油価格で1バレル74ドルが必要となる。これはWTI換算では約70ドルであり、ブレント換算では約78ドルである。
2011年の実質GDP成長率は6.8%と2003年以降では最も高い成長率を記録した。因みに、2010年は4.1%であった。
2011年の実質GDP成長率を石油部門、非石油部門に分けて見ると、前者が4.3%、後者が8.3%であった。
次の3部門の2011年実質成長率は二けたを超えた。
 製造業部門:15.0%、建設業部門:11.6%、運輸・通信部門:10.1%
その他部門の2011年実質成長率は次の通りであった。
 小売業部門:6.4%、電力・ガス・水部門:4.2%、金融部門:2.7%
2011年のインフレ率は4.9%と2010年の5.3%を僅かながら下回った。
主因は、食料品価格が抑制され、また賃借料も抑制されていたためである。
2012年のインフレ率はさらに低下し4.4%となると予測される。
201年の国際収支上の経常収支は既往最高の5980億SR(1595億ドル)を記録した。因みに、2010年は2500億SR(667億ドル)の黒字であった。


         表 サウジアラビアの2012年度予算

  2012年度
予算(A)
2011年度
予算(B)
2011年度
決算(C)
(A)-(B) (C)-(B)
歳 入 7020億SR
(1872億ドル)
8860億SR
(2363億ドル)
1兆1100億SR
(2960億ドル)
▲1840億SR
(▲491億ドル)
+2240億SR
(+597億ドル)
歳 出 6900億SR
(1840億ドル)
5800億SR
(1547億ドル)
8040億SR
(2144億ドル)
+1100億SR
(+293億ドル)
+2240億SR
(+597億ドル)
収 支 120億SR
(32億ドル)
3060億SR
(816億ドル)
3060億ドル
(816億ドル)
▲2940億SR
(▲784億ドル)
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出所:各種資料より筆者作成。

(2011年12月28日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか よしき>)