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| (2011年9月9日掲載) | ||
UAEのアブダビでは、不動産開発、投資、エネルギー、通信の広範に亘る政府系企業でトップ人事の刷新が行われている。本年になって少なくとも政府系企業6社で役員の入替えが行われた。今後上級管理職も対象にした人事刷新も行われると見られる。 アブダビはドバイに比べると経済環境は良好だが、世界不況と全く無縁であったわけではない。政府系の投資会社、不動産会社の業績悪化が顕在化し、政府が監査に乗り出すことになった。実際、アブダビ政府が救済に乗り出した企業も出た。例えば、アルダール不動産開発、タブリード(冷房装置メーカー)などである。この結果、政府関係者の中で、企業トップのモラル・ハザードの問題を指摘する声が上がったという。経営トップの経営責任を明確にすべきとの認識の高まりが一連の政府系企業の人事刷新の背景にあるもとと思われる。政府は、企業の不正根絶にも着手する計画であるという。 トップ人事では、アブダビの国策会社とも言うべきアブダビ・ナショナル・エナジー(TAQA)、アブダビ観光開発投資 (TDIC)、 アブダビ最大の不動産投資・開発会社のアルダー・プロパティーでも経営陣の入替えが行われた。2011年3月に投資有価証券の評価損発生により2010年に8,580万ドルの損失を計上しことを発表した政府系投資会社であるムバダラ開発公社は、2011年8月4日付け首長令によってトップ4人が更迭された。 2011年8月に入って政府系投資ファンドで世界最大のアブダビ投資庁(ADIA)は、基幹部門である対外株式投資部門の組織再編を行った。改編後の新事業部の長には首長の息子が任命された。通信のエティサラートでは、前最高執行責任者(COO)のアハメド・アブダルカリム・ジャルファール氏を、新設の海外展開部門のグループ会社の最高経営責任者(CEO0に任命する人事が行われた。 アブダビでは2010年12月に首長国の最高意思決定機関に当たる執行評議会( Executive Council)で、議員定数を18人から14人削減する改造が行われた。この過程で支配一族ナヒヤーン家出身者の内5人が入れ替えられた。一連の政府系企業のトップ人事もこの延長線上にあると見るかは見解の分かれるところであろう。少なくとも首長一族内の権力争いという側面はないだろう。政府が緩んでいた手綱を締め直して政府系企業の問題に取組み始めたと見てよい、その第一歩が業績評価と経営責任を明確にした人事となった。 |
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| (9月5日、記) |
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| <関連情報> ●地域密着型の小規模店舗営業に力を入れ始めたUAEのスーパー業界【2011/8/16】 ●ドバイとアブダビの不動産価格は2012年末までさらに下落すると見るクウェイトのグローバル・インベストメント・ハウス(GIH)【2011/7/8】 ●2010年末時点での投資残高が482億ドルであることを明らかにしたアブダビの国際石油投資社(IPIC)【2011/1/28】 ●内閣に相当するアブダビ執行評議会の委員を大幅に入れ替えたシェイク・ハリーファ・ビン・ザーイド・アル・ナヒヤーン・アブダビ首長兼UAE大統領【2010/12/17】 ●世界的な株価の低迷もあって2010年上半期に45億ディルハムの赤字を出したアブダビのムバダラ開発【2010/9/28】 |
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| (中東問題研究家 江添 久義<えそい ひさよし>) |