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| (2011年11月15日掲載) |
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シリア情勢が慌ただしさを増している。アラブ連盟が2011年11月12日、緊急外相会議を開催しシリアの資格の一時停止を決めたことで、同日には、首都ダマスカスのサウジアラビア大使館やカタール大使館、トルコ大使館などが群衆に襲われる事件が発生した。シリア政府は翌11月13日、米国や欧州連合(EU)に加えてアラブ連盟による経済制裁が発動される可能性の出て来たことから、事態の打開を目指してアラブ連盟の緊急首脳会合を開くよう要請している。 エジプトの首都カイロで開催されたアラブ連盟(加盟国21ヵ国・1自治政府)の緊急外相会議は、2011年11月12日、シリアが同連盟との合意(11月2日)にも関わらず反体制派のデモに攻撃を続けていることを理由として、1)都市部からの戦車の引き上げや拘束者の解放、管理下での反体制派との交渉の開始までの同国の資格の一時停止、2)駐在シリア大使の召還、3)同国に対する経済・政治制裁の発動、を賛成18カ国、反対2カ国(レバノン、イエメン)、棄権1カ国(イラク)で決定した(発効日は11月16日)。尚、議長を務めるカタールのハマド首相兼外相は、同日、シリアの反政府勢力に対してカイロのアラブ連盟本部での協議を呼びかけたことを明らかにした。 11月12日には首都ダマスカスやアレッポ、ラタキアで一部諸国の大使館などの外交施設が群衆に襲撃される事件が相次いだ。例えば、首都ダマスカスでは棍棒とナイフで武装した群衆数百人がアサド大統領を支持するスローガンを叫びながら警備員を殴打の上、サウジ大使館に乱入した。サウジ外務省は、シリア治安部隊が必要な防止策を講じなかったとする声明を直ちに発表しシリア政府の責任を問うている。 トルコ大使館が石や瓶を投げつける約千人の群衆に襲われたほか、カタール大使館も数百人の群衆に襲われ、屋上のカタール国旗が引きずりおろされ代わりにシリア国旗が掲げられる被害を受けている。因みに、トルコに関してはアレッポの領事館とラタキアの名誉領事館も襲撃を受けている。同様に、フランスもラタキアの名誉領事館とアレッポの外交施設が襲われている。こうしたことから、トルコ政府がシリア政府に対してトルコ外交官の安全の保障や襲撃者の処罰を求めたほか、必要でないシリアへの渡航を取りやめることを自国民に求める注意書を出している。またフランス外務省も駐シリア・仏大使を協議のためのパリに呼び戻す措置を講じている。 他方、追い込まれた形のシリア政府は、11月13日、同国の情勢を協議するためのアラブ連盟の緊急首脳会議の開催を要請した。同国の資格停止の発効する11月16日の前に首脳会合を開き、その場で緊急外相会議での決定内容を変更しようとの意図があるものと推察される。 尚、シリアへの経済面での締め付けの強化を目指す米国は、ダニエル・グレイサー財務省次官補をレバノン及びヨルダンに派遣し、両国の政府高官や中央銀行幹部と対シリア経済制裁の強化に向けた協議を行っている。周知のように、レバノンとヨルダンの銀行は、シリアが外資系金融機関の進出規制を緩和した6年前からシリア国内に支店を開設している。駐レバノン・米大使館は11月13日、声明を発表し、レバノン政府はシリアが制裁のしり抜けを目指してレバノンの金融部門を使用するのを防止する必要性を強調している。 ところで米国のジェフリー・フェルトマン国務次官補は、2011年11月9日、米上院の公聴会で次のように語り、アラブ数カ国がアサド大統領に亡命の受け入れを表明していることを明らかにした。
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| (11月14日、記) |
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| <関連情報> ●制裁で石油の輸出が困難になったシリア【2011/11/4】 ●西側諸国に対して介入しないようにとの強い調子の警告を発したシリアのアサド大統領【2011/11/1】 ●シリアのアサド大統領を取り巻く軍・治安機関などの要人の横顔~その2【2011/11/1】 ●シリアのアサド大統領を取り巻く軍・治安機関などの要人の横顔~その1【2011/10/25】 ●アラブ連盟が政府と反政府派の「国民対話」に向け動き出すなか憲法改正に向けた「国民委員会」を設置する大統領令を発出したシリア(10月17日時点)【2011/10/20】 ●改革実施の再表明や国民評議会を承認しないようにとの警告の発出で難局からの脱却を目指すシリアのアサド政権【2011/10/12】 ●米国や欧州連合(EU)の経済制裁がじわじわと効きはじめているシリア【2011/9/27】 |
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| (幹事 畑中美樹<はたなか よしき>) |