3月19日から27日までの多国籍軍によるリビア空爆等の動向と反体制派による石油輸出の可能性(3月27日時点)
(2011年3月29日掲載)

<3月19日から27日までの多国籍軍によるリビア空爆等の動向>


月 日 主    要    動    向
3月19日
仏戦闘機が、ベンガジ西方の軍装甲車等を攻撃。
地中海の米英の軍艦及び潜水艦が、リビア内の標的に110発超の巡航ミサイルを発射。
英軍のトルネード機が、ノーフォークのマルハム基地からリビア空爆を敢行。
20日
米英がミサイルで司令管理センター、防空施設を攻撃。
英軍トルネード機が、ノーフォークのマルハム基地からリビア空爆を敢行。
(政府軍のベンガジへのさらなる進攻が止まる)
21日
米英がトマホーク・ミサイル12発で司令管理センター、地対空ミサイル、防空施設を攻撃。
フランス、スペイン、イタリア、デンマーク、米国の航空機が、ベンガジ上空の飛行禁止空域の監視任務に従事。
(地上では、政府軍がベンガジから撤退。政府軍のアジュダビヤ、ミスラタへの進軍が空爆により止まる)
22日
トリポリ市内及び近郊の標的にミサイル攻撃。
トリポリ東方の海軍基地及びリビア南部のセブハ空軍基地を攻撃。
(地上では、ミスラタ、ジンタンで激戦が展開された。政府軍は戦車によりアジュダビヤ郊外に残存する反体制側を攻撃)
23日
ミスラタのリビア軍を空爆。
トリポリの軍関連施設を空爆。
(多国籍軍がリビア上空の制空権を掌握。政府軍の空軍は戦闘能力を喪失。地上では、ミスラタの水・電力・食料の供給が途絶え始める。政府軍の戦車が、多国籍軍の空爆で後退してから数時間後にミスラタ市内の病院を砲撃。アジュダビヤでは政府軍と残存の反体制側が激戦を展開)
24日
トリポリのタジューラ地区を空爆。
仏軍機が飛行禁止空域を飛行しミスラタ空軍基地に着陸したリビア軍機を空爆し破壊。
英軍機がアジュダビアヤのリビア軍の装甲車等を空爆。
(地上では、ミスラタで激しい戦闘が再開。過去1週間での政府軍によるミスラタでの死者数100人超・負傷者数1300人超との目撃談。ベンガジから進軍した反体制側がアジュダビヤ近郊に迫るも、政府軍の猛攻撃を受ける)
25日
アジュダビヤのリビア軍の戦車隊を空爆。
トリポリの軍関連施設を空爆。
(地上では、反体制側がアジュダビヤ奪還攻撃を行うが押し返される。反体制側はミスラタ港湾部を奪還するも、市街は政府軍の掌握が継続)
26日
アジュダビヤ及びミスラタのリビア軍を空爆。
トリポリのリビア軍関連施設を空爆。
(地上では、反体制側がアジュダビヤを奪還。リビア政府は、多国籍軍の空爆を受けてアジュダビヤから撤退したことを認めると共に、多国籍軍が反体制派を支援していると非難)
27日
アジュダビヤとシルテ間のリビア軍を攻撃。
(地上では、反体制側がブレガ、ウカイラに続いてラスラヌフを奪還)
出所:各種報道よりまとめたもの。


<反体制派による石油輸出の可能性>

 国民評議会の経済・財政及び石油相に任命されたアリ・タルフーニ氏は、2011年3月27日、次のように述べ、カタールがリビア石油の販売を引き受けてくれたことを明らかにした。

我々はカタールの石油会社と契約した。有り難いことに彼らは我々が輸出を望む石油の引き取りと販売に合意してくれた。
我々の次の船積みは1週間以内に行われよう。問題は引き取り船舶に付保できるか否かである。
反体制側が管理するリビア東部の産油量は10~13万B/Dだが、30万B/Dまで増やす事が出来る。
我々はブレガの石油会社に24時間以内での操業開始を要請した。
ターミナルは国内用のLNGを生産している。
反体制側は石油販売収入の受け取り用として監査役の監視するエスクロ口座を開設済みである。
我々はリビアの政府系ファンド(の資金)を裏保証とする借り入れを考えている。
我々はリビア全土が解放されるまでエスクロ口座への入金分は凍結しておく。
その代り、リビアの政府系ファンド(の資金)を担保に借り入れを行う。
我々は流動性の問題を抱えていない。外貨準備は十分にある。

(3月28日、記)
<関連情報>

リビア情勢:アフリカ連合(AU)による仲介会合が成果なく終わるなか反体制派がアジュダビヤを奪還した反体制派(3月26日時点)【2011/3/29】

その後のリビア情勢:6日目に入った国連安全保障理事会決議1973号に基づく有志連合の攻撃(3月24日時点)【2011/3/25】

リビア情勢:二日目に入った国連安全保障理事会決議1973号に基づく有志連合の攻撃(3月20日時点)【2011/3/22】

リビア情勢:国連安全保障理事会決議1973号の採択と仏英米等による攻撃の開始(3月17日~19日時点)【2011/3/22】

リビア情勢:体制側が軍事面で攻勢を強めるなかベンガジから退去した国際援助機関ほか(3月16日時点)【200/3/18】

リビア情勢:体制側が東部アジダビーヤを空爆するなか国際社会の強い支援も得られずベンガジで反撃に向けた軍事編成の整備に努める反体制側(3月15日時点)【2011/3/18】

リビア情勢:軍事面では全体として体制側が押し気味のなか外交面での国連安保理や欧州連合(EU)による支持拡大に期待する反体制側(3月14日時点)【2011/3/18】

(幹事 畑中 美樹<はたなか よしき>)