最新の世論調査:イランを米国民が依然として敵視、しかし若い層の敵意は弱まりつつある
(2011年2月22日掲載)

 2011年2月18日に公表されたギャロップ社による世論調査によると、米国民が最も危険な国と見なしているのは、イランであった。ギャロップ社は、この調査を2001年から6回行っている。2001年、2005年、2006年、2007年、2008年、そして今回の2011年である。

 2001年には、イラクが最も脅威を与える国とされた。2005年では、イラクと北朝鮮が並んだ、2006年と2007年はイラン、2008年はイランとイラクが並び、今回の2011年はイランとなった。

 調査は、今年の2月2日から5日にかけて、米本土に住む18歳以上の1015人に対して電話で行われた。主として固定電話を通じて調査であったが、携帯電話のみしか所有しない層に対しては、携帯電話を通じての調査となった。

 調査は「どの国が米国の最大の敵だと思いますか?」との質問に答えさせる形式で、25パーセントがイランを16パーセントが北朝鮮(あるいはコリア)と中国を上げている。以下アフガニスタン、イラク、ロシア、米国自身、パキスタンと続いている。

 各国の順位の変遷を見ると2001年には38パーセントで断然一位であったイラクがイラク戦争開始から2年後の2005年には22パーセントに低下し、2011年には7パーセントまで下がっている。これは、米世論にとってイラクの重要性の低下を反映している。

 年代別に見ると65歳以上の間ではイランを最大の脅威と見なす層が、36パーセントそして50歳から64歳の間では31パーセントであるのに対して、30歳から49歳の間では、これが18パーセントに激減し、18歳から29歳では14パーセントとさらに低下している。これはイラン革命後の1979年から1981年まで続いたテヘランの大使館員の人質事件のインパクトが薄らいでいるからと推測される。この事件の頃に生まれた人々は、現在30歳前後である。その後の世代は、直接の記憶としては、この事件を知らなくなる。

 逆に北朝鮮を脅威と見る層は、年齢と反比例している。65歳以上では10パーセントに過ぎないのに、18歳から29歳では22パーセントと倍増している。

 政治傾向で見ると、保守派はイランを脅威と見なす傾向が強く、リベラル派はイランと北朝鮮を、中道派は中国、北朝鮮、イランを指摘する。

 支持政党で見ると民主党、共和党、無所属いずれの層もイランを最大の脅威と見なしており、大きな差はなかった。

(2月21日、記)
<関連情報>

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注:関連情報は編集部が付記した。

(国際政治学者 高橋和夫<たかはし かずお>)
http://ameblo.jp/t-kazuo