イスラムの服装コードは押しつけないことを明らかにしたモロッコのアブデリラフ・ベンキラネ公正発展党(PJD)党首
(2011年12月16日掲載)

 先般の議会選挙で第一党となったモロッコの穏健イスラム政党「公正発展党(PJD)」のアブデリラフ・ベンキラネ党首は、2011年12月9日、同党の主導する新政権において女性達にイスラムの服装コードを押しつける考えのないことを明らかにした。公正発展党(PJD)は、国内で依然力を持つ世俗派や外国人投資家、観光客にイスラムの規範を押し付けない点を明らかにすることで、海外からの投資や観光客の継続的な流入を維持しモロッコ経済の浮揚を目指す戦略と推察される。因みに、同日のアブデリラフ・ベンキラネ党首の主な発言は以下の通りであった。

自分は人々の私的生活に関心を持たない。神は人類を自由に振る舞うよう創造された。
自分は女性が短いスカートをはいていようが、長いスカートをはいていようが問いただしたりしない。
しかし、法律で禁じされていることはある。
欧州諸国でも公衆の場所で裸になることは許されないだろう。

 また、公正発展党(PJD)のムハンマド・ヤティム事務局長も次のように語り、アブデリラフ・ベンキラネ党首と同じようにイスラムの規範を国民に強要する考えのないことを強調している。

我々は人々の私的生活に関心はない。
我々は国民の信念や行動を気にしたりはしない。
我が党の優先順位は、モロッコの社会・経済条件の改善にある。
我々は女性にベールを被るよう強要しない。何故ならば、我々の宗教は寛容の宗教だからだ。
宗教には強制はない。
我々は道徳警察を創設しないし、人々がアルコールを飲むのを止めたりもしない。
音楽フェスティバルもモロッコ文化に資するのであれば、公正発展党(PJD)の政権下でも盛んになるだろう。
我々は芸術や文化を批判したことはない。
我々が批判したのは貧困国で法外な価格の入場料である。
法外な価格の入場料は怒りを高めるだろう。

 今般、音楽祭などについて公正発展党(PJD)の高官がわざわざ言及したのは、ムハンマドⅥ世国王が音楽祭を支援することが多いなか、同党の高官たちが音楽祭を堕落したものとの理由で批判した経緯があったためである。但し、今般、同党の高官は、抗議が起きたのは音楽祭の道徳性に対してではなく、シャキーラやカイン・ウェストなどの音楽祭で支払われる法外な入場料に対してであると説明し理解を求めている。

(12月14日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか よしき>)