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| (2011年8月16日掲載) | ||
米国連邦議会に付属する調査機関であるGAO(米国会計検査院)のイラン制裁に関する最新の報告書が8月3日に公表された。それによるとイランのエネルギー部門に投資している外国企業が激減している。 報告書によると現在イランのエネルギー・石油化学部門で活動している外資は16社である。その内訳は、以下の通りである。インド4社、中国3社、韓国2社、他は各国1社、クロアチア、オーストリア、ベラルーシ、イタリア、ベネズエラ、南アフリカ、アンゴラ。 なお昨年の報告書ではイランのエネルギー部門などに投資していたのは41社であった。イランから撤退した、または撤退中の外資は、その理由の一つとして米国を含む各国の制裁を挙げている。また日本のINPEX(国際石油開発帝石)とJGC(日揮)は撤退した企業のリストに掲載されている。 報告書は、投資の不足から、イランの石油生産は今後5年で4分の1以上も生産量を落とすだろうとの『オイル&ガス・ジャーナル』誌の予想を引用している。また、製油所建設への関与などイランのエネルギー部門への中国とインドの積極的な姿勢を銘記している。 イラン制裁に関連するニュースとしては、GAOの報告書の発表と同じ3日に、革命防衛隊のロスタム・ガーセミー准将の石油相への就任が、圧倒的多数の信任票でイラン議会によって承認された。革命防衛隊が米国の対イラン制裁の対象となっているので、イラン・ビジネスを巡る環境は、さらに暗くなった。 その上、5月に米議会にイラン原油の輸入をさらに困難にする法案が提案されている。もちろん、一連の米国の対イラン制裁法は国内法であり、法的に日本を含む他の国を縛(しば)るものではない。ただし米国で活動する日本企業に関しては、石油の輸入を含むイランとの取引を停止するように圧力がかけられる可能性も潜在的に存在する。 仮定の上に仮定を積み重ねる議論になるが、将来的に日本がイランからの原油の輸入を停止するような事態の際に、その分を米国が埋め合わせしてくれるだろうか。過去にそうした交渉が行われた例としては1973年10月に起こった第一次石油危機の際の対応がある。日本はアラブ石油禁輸の対象から外れるために、中東政策の変更を考慮していた。アラブ寄りの立場を鮮明にしようとしていた。これに対して11月に来日したキッシンジャー国務長官は、日本政府首脳に政策の変更を行わないように要請した。田中角栄首相が、それでは自国の石油を日本に融通する用意が米国にあるのかと問いただした。キッシンジャーの答えは否であった。その8日後に日本はアラブ寄りの立場を表明した。つまり米国が日本の石油供給を緊急時に確保してくれた前例は存在しない。可能性があるのは、サウジアラビアの増産によるイラン原油の埋め合わせというシナリオであろうか。 |
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| (8月5日、記) |
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| <関連情報> ●インドとの原油購入代金の未払い問題は解決したと発表したカレバニ・イラン国営石油公社(NIOC)総裁【2011/8/5】 ●8月分のイラン原油が確保出来ない見込みのためサウジアラムコからの調達に切り替える予定のインド製油企業【2011/7/26】 ●決済方法が未解決なため8月分の原油供給を停止するとの親書をインド企業に送ったイラン国営石油公社(NIOC)【2011/7/8】 ●イラン締め付けの一環としてイラン航空と港湾管理企業の2社に対する新たな制裁措置を発表した米財務省【2011/6/28】 ●側近ムハンマド・シャリフ・マレクサデ前外務次官の逮捕で益々強まるアハマディネジャド・イラン大統領と保守強硬派の対立【2011/6/28】 注:関連情報はJAMEEF編集部が付記した。 |
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| (評論家 高橋和夫<たかはし かずお>) http://ameblo.jp/t-kazuo/ |