依然停戦の可能性を模索するリビアのカダフィ政権と欧米を非難するアフリカ連合(AU)・ベネズエラ・アルジェリア(4月26日時点)
(2011年4月28日掲載)

 米英等がリビア危機の長期化に備えた動きを強めるなか、カダフィ政権は依然停戦の可能性を模索している。例えば、アブドゥル・アティ・アル・オベイディ外相が、2011年4月23日、チュニジアのジェルバ入りし、その後キプロスへと向かった。同相は4月14日にもキプロスを訪問し、同国首脳と停戦の可能性について意見交換している。


<カダフィ政権代表団のベネズエラ訪問>

 カダフィ政権の代表団が、ベネズエラを訪問していることが2011年4月26日、判明した。中南米・カリブ海外相会議に出席中のチャベス・ベネズエラ大統領が、同日、リビア代表団が滞在中であることを明らかにしたもの。ベネズエラは、アフリカのウガンダ、ジンバブエ等と共に、万一カダフィ大佐と親族が海外脱出する際の候補国の一つと言われるだけに気になる動きである。尚、チャベス大統領は同日、概要次のように語った。

リビア代表団は危機の政治的解決を模索するために来訪した。
自分はリビア国民の窮状を救うために政治解決を模索することを決意した。
NATOのリビア爆撃は狂気の沙汰であり、米国はリビアの石油と水資源を入手しようとしている。
我々は、第三世界に対する嫌というほどの権力の乱用・戦争・侵略を受けてきた。
彼らは軍兵舎、学校、商業センターを爆撃している。誰が彼らにこのような攻撃の権利を与えたのか。
彼らがカダフィ大佐を嫌い、リビアの石油と水資源が欲しいから軍事攻撃をしているのだ。
我々はカダフィ大佐のしたこと、或いは、すること全てに同意するわけではないが、誰が爆弾を投下する権利を、そして体制を転覆する権利を持っているのか。


<AUによる仲介に期待するカダフィ政権>

 リビアのアブドゥル・アティ・アル・オベイディ外相が2011年4月26日、エチオピアの首都アジスアベバで、西側諸国はリビアを通じてアフリカの富を奪い再び植民地化しようとしていると非難した。同相が同地でAU平和・安保委員会で発言したもの。

リビア代表団は、アフリカ連合の緊急会合を早急に開催することを提案する。
これにより、我が国を襲う外国勢力に対抗しうるアフリカ大陸の様々な力を動かすことが可能となろう。

 他方、ラムタネ・ラマムラAU平和・安保委員会委員長は、次のように語り、多国籍軍によるリビア空爆を批判した。

非アフリカ諸国によるリビアでの異なる目的の追及は、AUの(仲介に向けた)行程表の履行に影響を与える。
リビア危機の政治解決を目指すAUの動き、特に国連決議に合致する時宜を得た行程表の履行を無視しようとの試みがある。
多国籍軍やNATOによる介入は、危機の解決につながらなかった。
多国籍軍、そしてその後のNATOによる飛行禁止空域の設定と爆撃は危機の政治解決をもたらさなかった。
実際、軍事的解決は手詰まりとなっている。

 尚、暫定国民評議会のアル・ズベディ・アブゥダラ代表はAU高官との協議後、次のように語り、カダフィ大佐との和平の可能性を否定した。

どのようにカダフィ大佐との和平を実現しようというのか?
カダフィ大佐は平和の人物ではなく、戦争と暴力の人だ。


<外国勢力の介入に警告を発するアルジェリア>

 アルジェリアのムラード・メデレチ外相は、2011年4月25日、地元紙(エコルーク紙)に次のように語り、外国勢力によるリビア危機への介入に反対するアルジェリア政府の姿勢を説明している。

リビアとその他のアラブ諸国の場合を比較してみると、リビアで紛争が起きるや、チュニジアやエジプトの時とは異なり外国勢力が介入した。
恐らく、一部の外国勢力にとってはリビアの分割が目標なのだろう。しかし、政権側も反政府側もリビアの一体性に拘泥している点は称賛したい。
アルジェリアは、リビアが第二のイラク、アフガニスタンになることを懸念する。
テロが武器の拡散に付け入ることを懸念する。アル・カイダは最近、リビアに幾つかの首長国建設を宣言している。
我が国は治安、政治・経済の安定の回復に高い代償を支払った。リビアで起きていることの影響はアルジェリアを含む近隣諸国が感じている。
リビア情勢の悪化は地域でのテロ活動を活発化し、全近隣諸国に大きな悪影響を及ぼす。
リビアの一体性は、外部勢力の介入を排してリビア人が決めるべきだ。
依然政治解決の道は残されている。
現時点では暫定国民評議会がリビアを統治することはないと考える。
どちら側が出てくるにせよリビアの一体性の維持というのがアルジェリアの基本姿勢である。
アルジェリアは政治解決を目指すAUの仲介努力を支持する。

(4月27日、記)
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(幹事 畑中 美樹<はたなか よしき>)