自国通貨のデノミネーションの実施を表明したイランのマフムード・バフマニ中央銀行総裁
(2011年4月15日掲載)

 イランのマフムード・バフマニ中央銀行総裁は、2011年4月10日、自国通貨リアルのデノミネーションを今後1~2年をかけながら実施する考えであることを明らかにした。マフムード・バフマニ・イラン中央銀行総裁が同日、語ったのは以下のような点であった。

新イラン・リアルは米ドルと同じ価値となる。
リアルの単位を1万分の1に切り下げるデノミネーションの計画は、実施するのに1年から2年を要する。

 同総裁は、イラン政府がデノミネーションの実施後も米ドルとの固定相場制度を維持するのか否かは明らかにしなかった。周知のように、イラン政府は自国通貨リアルのデノミネーションを2007年から検討してきた。アフマディネジャド大統領も、2007年1月の時点でリアルのデノミネーションを実施するとの考えを表明していた。

 リアルのデノミネーションを実施する場合、これまでは1000分の1に切り下げることが検討されていた。しかし、近年のリアル価値の低下を考慮してか、今般明らかにされた計画では1万分の1とされている。因みに、イラン・リアルの対米ドル・レートは、イラン革命の発生した1979年には1米ドル=70リアルであった。しかし、現在では1米ドル=約1万1000リアルまでリアルの対米ドル価値は下落している。

 デノミネーション後の通貨の呼称がどうなるのかは気になるところだが、マフムード・バフマニ中央銀行総裁は「新通貨の呼称も変更されない。また国民がなれるように1年から2年をかけながら徐々に実施して行きたい」(ミドル・イースト・オンライン 2011年4月11日)と述べ、イラン・リアルの名称を維持する考えを示した。またデノミネーションが自国通貨を弱体化すると誤解している国民もいるためか、「切り下げることで自国通貨が弱くなると考えている人もいるが、そんなことはない。デノミネーションはインフレを抑制するし、使い勝手がよくなるので貿易も拡大しよう」(同上)と語り、メリットが多い点を強調している。

 注目されるインフレ率は政府発表では徐々に下がっており、2011年3月20日に終了した年度の公式統計上のインフレ率は12.4%となっている。

(4月13日、記)
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(幹事 畑中 美樹<はたなか よしき>)