両国友好協定の調印2周年記念でイタリアを訪問し「移民問題」や「イスラム改宗」などで発言したカダフィ・リビア大佐
(2010年9月7日掲載)

 リビアのカダフィ大佐はイタリアとの友好協定の調印2周年記念を祝し、2010年8月29日からローマを訪問した。カダフィ大佐は今回のローマ訪問で駐イタリア・リビア大使館内に宿泊用のテントを設けたことで話題となったほか、「移民問題」や「イスラム改宗」に関する発言でも注目を集めた。

 カダフィ大佐は2010年8月30日に催された式典で、アフリカ諸国からリビア経由などで欧州へ渡る移民の問題について概要次のように発言した。

EUは密航者を止め欧州の黒人化を防止するために、少なくとも年間50億ユーロをリビアに支払うべきである。
この案はイタリアの支持を得ている。
リビアは密航者の入り口であるのだから、密航はリビア国境で止めなければならない。
まだ欧州への密航を望む数百万人のアフリカの人々がいるのだから、明日の欧州は最早欧州とは呼べなくなるかもしれない。
飢餓に直面する無知なアフリカの人々の流入で何が起きるかを我々は知らないし、白人のキリスト教徒の欧州人がどうするのかも知らない。
我々は欧州が先進的で統一された大陸として留まるのか、野蛮な侵入者によって(過去二)起こったように破壊されてしまうのかを知らない。
望ましい移民もある。資金を持ちイタリアに投資に来るリビア人がいる。

 このカダフィ大佐の発言に対してEUのマッシュー・ニューマン報道官は、発言にコメントすることは出来ないがEUはリビアとの対話の改善に向けあらゆる努力を払いたいと述べるに留まった。但し、翌8月31日には別のアンジェラ・フィロテ報道官が、EUはリビアとの移民関連事業に5000万ユーロ以上使っているし、移民に関するあらゆる事項についてリビアと長期協力協定を開発する用意があると述べ、リビアとのさらなる協議に前向きな姿勢を示している。尚、お膝元イタリアのフランコ・フラッティニ外相は、カダフィ大佐の面子をかばうかのように、2010年11月にリビアで開催される欧州・アフリカ・サミットでカダフィ案は議論されることになろうとコメントした。

 以上のほかカダフィ大佐はローマ滞在中に行ったイタリアの若者たちとの対話集会で、イスラム教への改宗を勧め物議をかもした。因みに、カダフィ大佐は集まった若者たちに概要次のように呼びかけた。

① イスラム教が全欧州の宗教となるべきである。
② 情勢は西欧よりもリビアにおいてより尊敬されている。
③ リビア人の伴侶を見つけるのを支援しましょう。

 このカダフィ大佐の発言に、例えば、イタリアの地域政党連合である北部同盟のマルオ・ボルゲチオ議員が発言は欧州をイスラム化しようとの危険なものであると述べるなど反発や批判が相次いだ。

(9月5日、記)
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(幹事 畑中 美樹<はたなか・よしき>)