今後二週間ごとに開催することで合意したイスラエルとパレスチナ自治政府の中東和平直接交渉
(2010年9月7日掲載)

 イスラエルとパレスチナ自治政府による中東和平直接交渉が、2010年9月2日、ワシントンにおいて当初の予定通り開催された。同日の直接交渉は、まず、米国、イスラエル、パレスチナ自治政府の各代表団の全体会合が開かれ、次いで、ネタニヤフ・イスラエル首相とアッバス・パレスチナ自治政府議長にクリントン米国務長官、ミッチェル米中東和平担当特使を加えた四者協議が行われ、最後に、ネタニヤフ・イスラエル首相とアッバス・パレスチナ自治政府議長による個別の直接会談が実施された。

 その後、記者会見を行ったミッチェル米中東和平担当特使は、両首脳が今後二週間ごとに直接交渉を定期開催することや次回交渉が9月14日、15日に開かれること、同交渉にはクリントン米国務長官も出席することなどを明らかにし、今回の交渉が建設的な雰囲気の中、成功裏に終わったことを強調した。因みに、同担当特使の記者会見での主な発言内容は次の通りであった。

両首脳が今後二週間ごとに直接交渉を定期開催することで合意した。
次回交渉は9月14日、15日に開催され、クリントン米国務長官も出席する。
両首脳は二国家共存方式が双方の共通利益である点を確認した。
両首脳は全課題を解決した一年以内での和平合意が可能であるとの認識を持つに至った。
両首脳は、両者の合意が必要となる課題を明らかにするための「枠組み合意」の構築で合意した。

 クリントン米国務長官は、両首脳との会談に臨むに当たり、今後の難しさは承知しているが双方が辛抱強く交渉を行えば中核の問題を一年以内で解決できるとの趣旨の声明を読み上げた。これを受けてネタニヤフ・イスラエル首相は、永続する真の和平は双方が痛みの伴う譲歩を通じて可能となるので中核を成す問題で合意する必要があると述べた。他方、アッバス・パレスチナ自治政府議長は、一年内に和平合意につなげるにはイスラエルによる入植活動や挑発行為の停止が必要になると応じた。

 オバマ政権は今回の直接交渉によって、取りあえず直接交渉の定期化には成功した。しかし、イスラエルとパレスチナ自治政府の交渉では、軍事力を含むか否かといったパレスチナ国家像から始まって、国境の画定、聖地エルサレムの帰属、難民の帰還権、水資源の利用問題、イスラエルによる入植活動の停止といった双方の主張に大きな隔たりのある難題が待ち受けており、定期化した直接交渉が難航することが予想されている。現に、今回の直接交渉でパレスチナ側の交渉責任者となったエラカット・パレスチナ解放機構(PLO)交渉局長は、2010年9月3日、まずイスラエルによる入植活動の凍結に焦点を当てるべきであると語り、占領地での入植活動が続いた場合には交渉自体が難しくなるとの考えを明らかにしている。

(9月5日、記)
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(幹事 畑中 美樹<はたなか・よしき>)