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| (2010年9月3日掲載) |
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国際的不動産コンサルタントのCBリチャードエリス社とクラットンズ社は、2010年7月、バハレーンの不動産市況に関する調査レポートをそれぞれまとめた。石油収入が政府の歳入の3分の2を占めるバハレーンでは、石油価格の高値安定で経済回経済の見通しは明るい。因みに、経済開発評議会の年報は、DGP成長率を4%と予測している。しかし、不動産市況に関するレポートによれば、不動産市場は未だに銀行がリスクを取ることに慎重であり、むしろ手持ちの不動産投資の処分に動いているところもあると伝えている。以下では、同レポートを基に最近のバハレーンの不動産市況について見ることとしたい。 <事務所用市場> 不況で企業が合理化を進めた結果、事務所(オフィス)の空室率が上がっており賃料改善の状況にはない。クラットンズ・バハレーンのティム・グローバーCEOは、2010年第2四半期を通じてグレイドAとBのオフィス・ビルの空室率が大きく上昇したと言う。背景には、テナントが多額の前払い費用の支払いを渋るようになっていることがある。 同CEOは「供給過剰で賃貸ビルを所有する家主にはますます厳しいマーケットになっている」(ガルフ・ニューズ紙 2010年8月4日)と指摘する。供給過剰はマーケトで最も賃料が高い地区といわれ、マナマで有名な交通渋滞もさほどひどくないシーフ地区とファイナンシャル・ハーバー地区でとりわけ顕著である。シーフ地区では棚上げとなったプロジェクトがあるなかで、未だに工事を続けているプロジェクトもある。その結果、2010年第2四半期のオフィス賃料は平均10%低下した。グローバーCEOは「まだ多くのビルがマーケットに出てくるが、非現実的な賃料を提示している」「その結果、非常に高い空室率のままで営業している」(同上)と見ている。同社の調査によると、2010年第2四半期においても、今もって何件かのプロジェクトが着工されている。 一方で、駐車スペース、交通、移動の便の良さを売り物にして、本来オフィス利用には向かない古いアパートがAクラスのオフィスを上回る賃料を取ったりしている。シーフ地区のような場所では、これらに要件が重要な決め手となるからだ。例えば、ディプロマティック地区とマナマ・セントラル地区は交通渋滞で悪名高い上、駐車スペースも見つけにくい。バハレーン政府は慢性的な渋滞緩和策として公共交通網の整備を行うことを約束し、遅れているバハレーンとカタールを結ぶ友情の橋建設を再確認している。 <住宅市場> グローバーCEOは、住宅市場は、湾岸周辺国からの需要を当て込んで高額な住宅建設に走ったツケが回ってきたと見る。この2年間、需要減退でこれら高額の物件が供給過多の状態にあるからである。CBリチャードエリス・バハレーンのリサーチ・コンサルタント部長で上級取締役のマイク・ウイリアムズ氏も「高級マンション部門の売買取引は歴史的に低い水準のままである。売買は、購入時の値段のままか、僅かの利益での取引である」(同上)と補足する。 住宅市場の問題は政府統計で明らかになったが、バハレーンの正規雇用労働者の86%が月収3,900Dh(約12万円)以下である。実はこれらの所得層向けの住宅供給が不足している。政府は手ごろな価格の公共住宅を12,200戸建設したものの、まだ十分ではなく住宅の順番待ちが5万件を超えている。政府の援助を得られない人たちへの安価な住宅供給は民間のディベロッパーに任されることになる。 だが、CBリチャードエリス・バハレーンのリサーチ・コンサルタント部長のマイク・ウイリアムズ氏によると、二つの問題があるという。第一は、バハレーンの人たちが一戸建ての住宅の所有を好むということである。第二は、その結果、人口密度の低い地区の宅地価格が急騰していることである。これら地域では、1平方フィート当たりの単価が約6,000円にまで急騰している。グローバーCEOは、「バハレーン国民は期待している住宅の広さについて今一度考え直す必要がある」「小家族向け住宅を選ぶことで、低コスト住宅というニーズも将来かなえられるだろう」(同上)とコメントしている。 |
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| (8月26日、記) |
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| <関連情報> ●住宅・オフィスとも供給過剰で今暫く賃料の下落が続くカタールの不動産市場【2010/8/31】 ●香港上海銀行HSBCの調査で明らかになった7四半期連続して改善を続けている湾岸企業の景況感【2010/7/30】 ●「第14回世界富裕者報告書(2010年版)」によれば2008年の金融危機以前の水準40万人に回復した中東の富裕層人口【2010/7/23】 ●今後とも経済成長と人口増に支えられ堅調な需要が見込めるアブダビの不動産市場【2010/7/20】 ●2010年の世界の経済成長率の見通しを前回(2010年4月)比0.4ポイント上方修正し4.6%とした国際通貨基金(IMF)【2010/7/13】 |
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| (中東問題研究家 江添 久義<えそい ひさよし>) |