地中海沿岸の原子力発電所の建設予定地を初めて明らかにしたエジプト政府
(2010年9月3日掲載)

 エジプトの中東通信は2010年8月25日、同国政府が、同国初の原子力発電所の建設予定地が地中海沿岸のエル・ダバアであることを明らかにし2019年にも稼動を開始する予定であると述べたと伝えた。ホスニ・ムバラク大統領の報道官であるスレイマン・アワド氏が中東通信に語ったもの。

 中東通信はスレイマン・アワド大統領報道官が次のように発言したと伝えている。

ムバラク大統領は会合において、原子力発電所を地中海沿岸のエジプト第二の都市アレキサンドリアの西方約140キロメートルのスレイマン・アワドにすることを決定した。
この会合は極めて重要なものであり、電力の供給を確かのものとし原子力エネルギーを平和目的で使用するとの戦略的計画が履行段階に移行したことを示すものであった。
電力省は原子力発電所の建設事業を国際入札にかけ、2010年末までには落札企業を決める意向である。
第一号の原子力発電所は2019年に稼動となろう。
エジプトは在来型の燃料は危機的状況にあるので、原子力が電力の安定供給源となるだろう。

 ハッサン・ユーニス電力相は、1000メガワット級の原子力発電所を1基建設するのに必要な費用は約40億ドル(約3400億円)と推計している。既に、エジプトではフランスのアレバや米国のウェスチングハウス電力などが政府の原子力コンサルタントとして活動している。エジプト政府は2019年に第一号の原子力発電所を稼動させた後、2025年に3基の原子力発電所を稼動させることを計画している。

 エジプト政府は1980年代初頭から原子力の平和利用の検討を開始していたが、その後、1986年に現在のウクライナでチェルノブイリ原子力発電所の事故が受けたことから計画を凍結していた。しかし、ムバラク大統領は、2010年3月、石油資源が減少に転じるなか今後の国内電力供給に懸念が生じてきたこともあって、原子力発電事業に関わる法律を承認していた。

 またハッサン・ユーニス電力相も2010年6月、エジプトが同年末までに同国初の太陽光プラント(発電能力140メガワット)を立ち上げる予定であることを明らかにしている。さらに、エジプトは風力発電も開発しており、2020年には発電量の12%を風力で、8%をその他再生可能エネルギーで賄うことを目標に掲げている。

(8月26日、記)
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(幹事 畑中 美樹<はたなか・よしき>)