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| (2010年9月3日掲載) |
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インド下院は2010年8月下旬、今後の民間投資に道を開く「原子力被害向け民生債務法案」、通称「民生用原子力発電所」法案を承認した。同法は直ちに上院に送付され審議の上、承認されなければならないが、問題なく可決されると見られている。これによりインドの巨大原子力市場(推定1500億ドル、約12兆7500億円)での原子炉建設事業に外国企業が参加することが可能となる。 因みに、インド下院は政府が事故時の補償金を3倍に増やすことを了承するのを待って同案を承認した。同法はインドが外国の原子力技術を導入することを認めた2008年の米国・インド原子力平和利用協定の中でも制定が求められていたものである。外国民間企業、特に米国の民間企業は、自社の債務負担に限度を制定する法案の制定抜きでのインド原子力市場への進出には二の足を踏んでいた。 インド下院の承認した法案では、原子力事故時に民間企業が負う補償額の上限を3億2000万ドルとしている。インド野党は、事故時の民間企業の支払い限度額はもっと高く設定すベきであるとしているほか、そもそも原子力のように国家にとって重要な産業に外国企業の進出を認めるべきででないとの立場を取っている。インドのマンモハン・シン首相は、議論の続く議会で、原子力発電はエネルギー需要を充足する上で、最善且つ最もコスト高率の良いものであると述べ説得に当たっていた。尚、現時点ではインドの電力供給に占める原子力の比率は僅か3%に過ぎない。 ところで4回目の戦略対話のためにインドのニューデリーを訪問した岡田外相は、2010年8月21日、クリシュナ外相と会談し、日印原子力協定の締結に向けた留意事項について説明した。岡田外相は会談で主として次の三点を強調した。 ① 核軍縮、核不拡散の考え方が協定に盛り込まれるような努力を期待したい。 ② インドが核実験を行った場合、協定を停止する規定を盛り込む意向である。 これに対してクリシュナ外相は概要次のように返答している。 ① インドは核実験のモラトリアム(凍結)を一方的ながら宣言している。 ② インドはこの宣言を順守し実績に誇りを持っている。 ③ 核のない世界の実現には努力して行きたい。 ④ 検証可能な枠組み作りにも努めたい。 岡田外相が5人の専門家を招集して2010年7月に設置した諮問機関の「核軍縮・不拡散に関する有識者懇談会」は会合などを通じて、①日印原子力協定を締結するのであればインドが軍事利用しない保証を目に見える形で得る必要がある、②インドが核実験をした場合、協定停止を明文化すべきである、といった意見を寄せていた。 |
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| (8月26日、記) |
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| <関連情報> ●原子炉への核燃料装着作業の始まったイランのブシェール原子力発電所と対イラン制裁を巡るその後の動き【2010/8/24】 ●海外資源獲得の強化に向け中国に対抗して政府系ファンド(SWF)の創設に動くインド【2010/7/23】 ●フランスとの原子力協力協定及び二重課税防止条約の調印を承認したサウジアラビア閣議【2010/7/9】 ●原子力協力を巡る協議でヨルダンが提案した独自ウラン精製案を拒否した米国【2010/7/6】 ●原子力発電所の建設を支援するためモロッコと原子力協力協定を締結したフランス【2010/7/6】 ●インドと原子力協定の締結に向けた交渉をようやく開始することになった日本【2010/6/29】 |
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| (幹事 畑中 美樹<はたなか・よしき>) |