![]() |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| (2010年3月30日掲載) |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
イラク独立高等選挙委員会(the Independent High Electoral Commission、IHEC)は、2010年3月26日夜(現地時間、日本は3月27日未明)、3月7日に実施されたイラク連邦議会(定数325)選挙の開票結果を発表した。それによれば、アラウィ元首相の率いるイラク国民運動(イラキヤ)が91議席と第一勢力を獲得し、マリキ首相の率いる法治国家連合(SLC)が89議席とこれに続いた。また法治国家連合(SLC)と袂を分かった形のイラク国民同盟(INA)が70議席、クルド連合が43議席でこれに続いた。今回の開票結果が最終的に確定するためには裁判所による承認が必要となる。但し、既に現時点で過半数を超える政治勢力がいないことから、連立政権の組成を巡る各政治勢力の駆け引きが激しさを増すことになろう。 第一勢力を獲得したイラク国民運動(イラキヤ)のアラウィ元首相は「我々は、勝者であれ敗者であれ、全ての政治勢力と連立政権の形成に向けて協力する」(http://www.middle-east-online.com/english/iraq/?id=38096)、「我々はどの政治勢力も排除するつもりはない」「我々の連立に対する姿勢は全勢力に開放されている」(NYT紙 2010年3月26日)と語り、自らが中核となって連立政権を樹立することに意欲を示した。他方、僅差で第二勢力となった法治国家連合(SLC)のマリキ首相は「今回の開票結果が最終的なものではない」「我々は法律と裁判所を通じて開票結果に挑戦する」(NYT紙 2010年3月26日)と述べ、必要があれば再集計の要求などにより抵抗する意向を示唆した。 本年夏での戦闘部隊の引き上げにも今回の連邦議会選挙の成功裏の実施が不可欠であった米国は、早速、「広範囲に亘る、或いは重大な不正はなかったとの国際監視団及びイラク監視団の報告を支持する」(http://www.middle-east-online.com/english/iraq/?id=38096)とのクリストファー・ヒル駐イラク大使及びレイ・オディエルノ駐イラク・最高司令官の連名の共同声明を発表している。また国連のアド・メルケルト・イラク特使も「今回の選挙が信頼に足るものであるというのが国連の見解である。今回の連邦議会選挙の成功についてイラク国民を祝福する」(http://www.middle-east-online.com/english/iraq/?id=38096)と語り、選挙で不正はなかったとの見方を示した。尚、イラク独立高等選挙委員会(IHEC)のファラジュ・アル・ハイダリ委員長は「最大の勝利者は3月7日に意思表示したイラク国民である」(NYT紙 2010年3月26日)とコメントしている。 第一勢力となったアラウィ元首相の率いるイラク国民運動(イラキヤ)が連立政権作りを任されることになるが、仮に30日以内で組成できない場合には、議会で選出される大統領がその他政治勢力の指導者に委任することになる。因みに、前回の2005年の連邦議会選挙では、選挙結果が確定してから新政権が誕生するまでにほぼ5ヶ月を要した。 今後の連立政権を巡る交渉では、イラク国民同盟(INA)、特にその中でも議席を伸ばしたサドル勢力及びクルド連合が鍵を握ることになろう。クルド連合に関しては、現時点ではどの陣営を支持するのか明確に表明していない。サドル勢力については、マリキ政権下で同勢力の戦闘部隊が攻撃を受け大きな損害を受けていることもあり、マリキ首相の率いる法治国家連合(SLC)との連携には後ろ向きとも伝えられる。 尚、今回の連邦議会選挙の県別投票率は以下の通りであった。前回(2005年)に比べて、投票率の上昇したのは何れもスンニ派住民の多いニベア県とアンバル件で、この当たりにもアラウィ元首相の率いるイラク国民運動(イラキヤ)が躍進した理由がありそうだ。
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| (3月27日、記) |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| <関連情報> ●3月26日(金)午後7時(現地時間)に最終結果の発表されるイラク連邦議会選挙【2010/3/27】 ●連立政権の組み合わせが大きな焦点となる連邦議会選挙終了後のイラク【2010/3/16】 ●投票率は62%と前回の76%を下回ったものの何とか無事に行われたイラクの連邦議会選挙【2010/3/12】 ●結果が多いに注目されるイラク連邦議会選挙の州別議席数と立候補者数【2010/3/9】 ●連邦議会選挙への参加に方向転換したスンニ派政党「イラク国民対話戦線」と前・軍将校2万人の入隊を許可したマリキ・イラク首相【2010/3/2】 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| (幹事 畑中 美樹<はたなか よしき>) |