サウス・パルス・ガス田開発のための資金調達へユーロ債を発行するイラン
(2010年3月5日掲載)

 イランがサウス・パルス・ガス田開発のために、ユーロ債を発行して資金調達する計画であることが2010年2月27日、明らかとなった。イランのシャムセディン・ホセイニ経済相の発言を同日のイラン国営テレビが伝えたもの。シャムセディン・ホセイニ経済相は、具体的には次のように述べた。

総額15億ユーロの債券が2010年3月6日に発行される。
このうちの10億ユーロは、サウス・パル・ガス田の第15、16、17、18フェイズの開発資金として使われる。
今回の債券は、2010年3月21日から始まるイラン会計年度の国家予算の一環として発行されるものである。
イラン国営石油公社(NIOC)が、同社の関連会社であるパルス石油ガス社により発行される本債券を保証する。

 イランは2010年2月最終週、石油省が近々、様々なフェイズにあるガス田の開発を支援するために債券を発行することを明らかにしていた。これらガス田にはイランの推定ガス埋蔵量である28兆立方メーターのほぼ半分が眠っていると見られてきた。イランは近年、経済制裁と政治圧力によって西側金融機関などが同国での事業を敬遠し始めたことから、エネルギー部門の開発に不可欠な資金と技術の導入に苦慮していた。

 核開発と国内政治情勢の緊張から西側企業によるイラン投資が見込めなくなってきたこともあり、イランは油田・ガス田の開発で益々アジアの企業を頼るようになっている。アジアの国営エネルギー企業は、イラン市場から遠ざかるようにとの西側諸国による圧力に余り屈しないばかりか、むしろ自国の将来のエネルギー需要を充足するためにイランからのエネルギー供給を頼りにしている部分もある。

 米欧は核開発を停止させようとイランに対する圧力を益々高めつつあり、国連安全保障理事会での新たな経済制裁案の協議・採択の行方が注目を集めはじめたところである。現時点では中国が消極的ではあるものの、最終的には棄権に廻るとの予測も出ており、3月から5月にかけての駆け引きが注目される。

(3月3日、記)
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(幹事 畑中 美樹 <はたなか よしき>)