イラク新内閣の早急な立ち上げを求めるため予告なしにバグダッドを訪問したバイデン米副大統領
(2010年7月6日掲載)

 バイデン米副大統領は2010年7月3日、予告なしにバグダッドを訪問し、翌7月4日に主要政治家と会談の上、全ての政治勢力で構成するイラク新内閣の早急な立ち上げを要請した。バイデン副大統領にとって副大統領としてイラクを訪問するのは4回目だが、2003年以降の議員時代の訪問も含めれば実に17回目のイラク訪問となった、

 ところで、米国の独立記念日に当たる7月4日、バイデン副大統領は次のように語り、各派に妥協を促した。

イラクの競合する全勢力は、誰が指導者になろうとも、新政府に含まれていると感じる必要がある。
新政府が出来れば、それは何か特別なものであり平和的な権力に移行である。

 2010年7月4日、バイデン米大統領と会談したのはアヤード、アラウィ元首相であった。因みに、アラウィ元首相は旧グリーン・ゾーン内のラフィア・アル・イサウィ副首相の自宅でバイデン米副大統領と会談した。クルド人のベテラン議員であるマフムード・オスマン氏は、同会談後次のようにコメントしている。

バイデン副大統領が政治的袋小路を打破できたどうかを現時点で言うのは時期尚早である。
この点は、各政党がどこまで柔軟になるかにかかっている。
しかし、仮に各政党が自己の要求に執着すれば前身は難しくなろう。

 さらに、アラウィ首相とバイデン米副大統領の会談をお膳立てしたラフィア・アル・イサウィ副首相は、次のように解説する。

会談ではイラク、中東情勢が話し合われ、イラク政府を早急に組成する必要性についても協議した。米国から特段提案はなかった。

 他方、マリキ陣営のハーリッド・アル・アサディ議員は、次のように語っている。

★ 政府を作る過程は静かに進みつつある。

 マリキ首相との会談後、タルバーニ大統領、ゼバリ外相、シャハリスターニ石油相、ハシェミ副大統領らの前に姿を見せたバイデン米副大統領は、「私の貴方たちへのお願いは開始したことを終えてほしいということである」「私のささやかな意見を言わせてもらえれば、目標を達成するには新政府に全ての勢力の声が反映されねばならないということである」「新政府では、イラク国民運動(イラキヤ)、法治国家連合(SLC)、イラク国民同盟(INA)、クルド連合の全てが意味のある役割を果たしうる」(ガルフ・タイムズ紙 2010年7月5日)と語り、全政治勢力による結集を訴えた。

 但し、イラク国民同盟(INA)に属するサドル派の指導者ムクタダ・サドル師は「アラウィ元首相、マリキ現首相に占領者による干渉を認めぬよう助言する」「会談は米国の課題ではなく、イラクの課題を取り扱わねばならない」(同上)と語り、米国による内政干渉とも取れる動きを牽制している。

(7月5日、記)
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(幹事 畑中 美樹<はたなか よしき>)