![]() |
||
|
||
| (2010年1月29日掲載) |
||
欧米の石油企業が米国主導の経済制裁を警戒してイランとの石油製品取引を自粛しつつあるなか、マレーシアのペトロナスはイランへのガソリンの輸出国としての地位を構築しつつある。同社は米国でのビジネスがそれほど大きなく米国の圧力に抵抗することが可能であるからだ。中国やインドも米国の動きを見極めながら、イランとの石油製品取引を増やしつつあるようだ。ペトロナスは2009年第4四半期以降、約1万6000B/Dのガソリンをテヘランに輸出している。また同社は最近、アラブ首長国連邦(UAE)のフジャイラに能力約50万バレルの燃料貯蔵施設を確保している。 中東の石油消息筋は「ペトロナスがイランとの石油製品の事業に乗り出してきたのは2009年下半期になってからのことである」「当初はスポット的に販売していたが、過去3ヶ月のほどの間に定期的な輸出者として登場するようになった」「貯蔵施設を持ったことで柔軟性が生まれ、イランへの毎月ベースでの供給が容易になった」(ハリージュ・タイムズ紙 2010年1月26日)とコメントしている。ペトロナスはイランの天然ガス開発事業の一つであるサウス・パルス11事業に参画しているほか、元々イランと良好な政治関係を維持してきたことで知られる。 2009年11月にはスイスに本拠を置くグレンコアが、米国制裁の対象となることを事前に回避しようと過去30年余りに亘り続けてきたイラン向けの燃料油の供給を停止している。世界最大の製油所を操業するインドのリライアンスやスーパーメジャーのBPは、イランとの石油製品取引を中止している。 欧米の石油業者は、欧米の企業は米国の制裁の対象となることを恐れてイラン向け石油製品の供給ビジネスを止めるであろう。しかし、元々米国において余り事業を行っていない企業は、利益の挙がる限りイラン向けの石油製品供給ビジネスを行うと見る。特にこれら企業は、それまでイラン向け石油製品輸出の常連であった企業が取引を取りやめることを空いた穴を埋める好機と見ているようだ。 新たな対イラン経済制裁の内容が気になるところだが、オバマ米政権は国連で新たな経済制裁を希求するに当たり、イラン国民に影響の及ぶ石油製品供給に関する制裁の導入は当面控える意向といわれる。 |
||
| (1月28日、記) |
||
| <関連情報> ●ウランの濃縮率の20%への引き上げの可能性を示唆する発言を行ったイランのアハマディネジャド大統領【2010/1/26】 ●前提原油価格を1バレル当たり60ドルで作成したイランの2010/2011年度予算【2010/1/26】 ●国際原子力機関(IAEA)に逆提案し低濃縮ウランの国外持ち出しを拒否していたイラン【2010/1/22】 ●イラン製の低濃縮ウランと第三国提供の核燃料の同時交換の交換場所の候補国に日本の名前も出てきたイランの提案【2010/1/8】 ●核開発を巡るIAEA提案の回答期限が経過するなか保守派と改革派の対立で2010年を迎えたイラン【2010/1/6】 |
||
| (幹事 畑中 美樹<はたなか よしき>) |