一転してIAEA提案を受け入れる姿勢を見せ始めたイランのアハマディネジャド大統領
(2010年2月5日掲載)

 イランのアハマディネジャド大統領は、2010年2月2日、国営テレビのインタビューで、「イランは低濃縮ウランの備蓄分が、燃料化される数ヶ月間、海外に留め置かれても何ら問題はない」と述べ、これまでの姿勢を移転して、IAEA提案を受け入れる姿勢を見せた。同大統領は、主として次のように発言した。

イランは低濃縮ウランの国外搬出に何ら問題を持っていない。
イランは次のように言いたい:我が国で3.5%の濃度で濃縮した濃縮ウランを渡し燃料で受け取る。イランが燃料を受け取るまで4~5ヶ月を要しよう。
仮にイランが低濃縮ウランを渡した後に20%まで濃縮度を高めた燃料を受け取れなくとも、イランは国内でそれを製造することが出来る。

 このイランの新たな対応について、米国務省のPJクローリー報道官は同日、次のように答えた。

我々は取引内容を変更するつもりはない。
我々は再交渉にも関心がない。
仮にイランがIAEA提案を受け入れるのであれば、イランはそれをIAEAに通知するべきである。

 今回のアハマディネジャド大統領の発言でポイントとなりそうなのは、低濃縮ウランが海外で留め置かれる期間とイランが低濃縮ウランを一度で引き渡すのか否かである。西側諸国は前者については、低濃縮ウランの高濃縮化には1年かかるとして丸々1年が必要としている。

 このほかアハマディネジャド大統領は当日のインタビューで、米国内で拘留されているイラン人とイラン国内で拘束されている米国人の引き換えについて次のように語り、交渉が進んでいることを明らかにした。

★ 可能なのかどうか交換に関する協議が行われている。
★ 全ての拘留者が解放されることを望む。

 イラン政府は2009年12月、米国の刑務所で拘留中とする11人のイラン人のリストを明らかにした。その中にはサウジアラビアで行方不明となった科学者やトルコで消えた元イラン国防省高官も含まれている。アハマディネジャド大統領は、「自分は彼らの解放に努めることを約束したが、米高官の中には交渉を損なう振る舞いを行う者もいる」「米国の刑務所には数多くのイラン人が拘留されている」「米国は第三国でイラン国民を誘拐してきた」(http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle-east/8494772.stm)と述べ、米国内で一定数のイラン人が拘留されていると主張した。

 シェーン・バウエル氏、サラ・シュールド女史、ジョシュ・ファッタル氏の3人の米国人が、2009年7月、イラク北部のクルド山岳部をハイキング中に誤ってイラン領内に入りスパイ容疑で拘束されている。

(2月3日、記)
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(幹事 畑中 美樹<はたなか よしき>)