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| (2010年8月27日掲載) |
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レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者であるハッサン・ナスララ師は、2010年8月9日、突然、2005年5月に起きたハリリ・レバノン元首相暗殺事件にイスラエルが関与していたと主張し、証拠とする航空ビデオを公表した。このビデオは、レバノンの首都ベイルートのハリリ元首相の爆殺現場付近を映したもので、イスラエルの無人偵察機が事件前に撮影したものと説明された。しかもナスララ師は、イスラエルが犯行作戦の第一段階として偵察撮影をしたものとの解説を行っている。 実は、ナスララ師は、その18日前の2010年7月22日、ハリリ・レバノン元首相暗殺事件に関連してヒズボラの構成員が同事件の審理にあたっている国連特別法廷により起訴される可能性があることを明らかにしていた。それだけに今回のナスララ師によるイスラエル犯行説は、ハリリ・レバノン元首相暗殺事件に関係してレバノン内外でヒズボラ批判が高まることを懸念して、意識的に目をそらせるために行った発言ではなかったのかとの見方が強まっている。因みに、名指しされたイスラエルの外務省は、翌7月10日、ナスララ師の主張は馬鹿げた嘘であると反論している。 ハリリ・レバノン元首相暗殺事件では、国連独立調査委員会が2005年10月、シリアとレバノンの治安・情報機関の高官など4人を拘束した。しかし、2009年3月にオランダのハーグに設けられた国連特別法廷は、翌4月、証拠不十分としてこれら4人を釈放するようレバノン政府に指示している。その後、当初疑いの目を向けられたシリアに代わってヒズボラの関与説が濃厚になり、今日を迎えている。イスラエルの一部のメディアは、既にヒズボラのテロ作戦担当の幹部が実行犯であると報道している。1982年にイランの革命防衛隊によって創設されレバノン国軍以上の実力を持つようになったとされるヒズボラは、2004年9月、国連安保理により武装解除を求められたが、今日もレバノン内の一大勢力として存続し存在感を益々高めつつある。 ハリリ・レバノン元首相暗殺事件がヒズボラにより引き起こされたものとの見方が強まるにつれ、ヒズボラとレバノン・スンニ派勢力との関係が再び悪化しつつある。このため2010年7月30日には、ヒズボラに影響力を持つとされるバシャール・シリア大統領とスンニ派内のハリリ首相の勢力と良好な関係にあるサウジアラビアのアブドゥラ国王が一緒にベイルートを訪問し、双方に自重を促したほどである。何れにせよ、ここしばらくの間、レバノン情勢から目が離せないといえそうだ。 |
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| (8月22日、記) |
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| <関連情報> ●レバノン国会による沖合ガス田の調査・採掘法案の可決で懸念されるイスラエルとの領有権争い【2010/8/24】 ●対イスラエル及び対イラン政策を巡りややぎくしゃくするオバマ米政権とトルコの関係【2010/8/24】 ●イスラエル選手の参加した協議への出場を許可した自国の陸上連盟に抗議した「シオニスト機構との正常化に抵抗するバハレーン協会」【2010/8/13】 ●イスラエル、トルコも参加するガザ支援船急襲事件に関する調査委員会の設置を発表した国連【2010/8/10】 ●僅か一日で終息した両国国境付近でのイスラエル軍とレバノン軍との交戦【2010/8/6】 ●ロケット弾で狙われたヨルダンの港湾・リゾート都市アカバと隣接するイスラエルの港湾・リゾート都市エイラート【2010/8/6】 ●ベイルートで三者首脳会談を開いたアブドゥラ・サウジ国王、アサド・シリア大統領、スレイマン・レバノン大統領【2010/8/3】 |
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| (幹事 畑中 美樹<はたなか・よしき>) |