ファトワ(宗教令)を発出できるのは最高ウラマー会議の上級者に限られるとの勅令を出したアブドゥラ・サウジアラビア国王
(2010年8月27日掲載)

 サウジアラビアのアブドゥラ国王は、2010年8月12日、ファトワ(宗教令)を出すことのできるのは最高ウラマー会議の上級者に限られるとの勅令を発出した。因みに、ラマダン(断食)月の第一週に出された同勅令は、ファトワ(宗教令)の発出に関して次のように述べている。

当面、最高ウラマー会議の構成員のみがファトワ(宗教令)を発出できることとする。
最高ウラマー会議の取りまとめに当たるグランド・ムフティ(大法官)は、ファトワを発出することが出来る資格を持つウラマーのリストを提出して欲しい。
ファトワ(宗教令)の発出を制限するのは、多くの個人が公式な宗教機関を超越して振る舞いファトワ(宗教令)を出したことでイスラム教徒の間に論争と見解の相違を生んでいるからである。
我々はこの問題を検証し、看過しえぬ多くの過ちを見つけた。
宗教を守り、一体感を保ち、邪悪を防ぐ上からも、ファトワ(宗教令)の(乱立気味の)発出と対決することが宗教的義務である。
この勅令に違反する者は、誰であろうと説明責任と罪を負うことになる。
何故ならば、宗教と国家の利益は、何事をも超越するからである。

 この国王の勅令について、グランド・ムフティのシェイク・アブドゥルアジズ・アアル・アル・シェイク師は、次のように述べている。

ファトワ(宗教令)の発出を最高ウラマー会議の構成員のみに制限するとの勅令は、賢明な行為であり、混乱の防止になろう。
宗教的知識を求める視聴者向けのテレビ番組に関しては、我々との調整が行われ、国王自らが出されたこの勅令に従うことを望みたい。
この勅令の目的は過ちを犯すことを防ぐ点にある。
宗教学者や有名なシェイクによるファトワ(宗教令)の発出に関しては、将来の検討課題とし引き続き見直されることになろう。

 また、シェイク・サーレハ・イスラム相は、イスラム法(シャリア)は、イスラム教徒の利益及びその増進、邪悪及び邪悪な行為の防止・制限のためにあるというのが司法的な規則であると指摘している。

(8月21日、記)
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(幹事 畑中 美樹<はたなか・よしき>)