アジアで債券投資家向けの会合を開催するドバイ政府と営業債権者に600億円弱を返済したドバイ・ワールド傘下のナキール
(2010年8月27日掲載)

<アジアで債券投資家向けの会合を開催するドバイ政府>
 アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国のドバイ財政庁は、2010年8月20日、電子メールで声明を発表し、8月26日からアジアで債券投資家向けの会合を開催することを明らかにした。ドバイ財政庁の声明は、次のように述べている。

アジアでの一連の会合は、2010年6月に行われた欧州の債券投資家向けの会合に続くものである。
また、アジアでの債券投資家向けの会合は、既存及び今後可能性のある世界中の債券投資家に、ドバイ首長国の最新の経済状態を定期的に提供するとの戦略に即したものである。

 アジアでの会合は、2010年8月26日にまず香港で開かれ、翌8月27日にはシンガポールで開催される。ドバイ政府は2009年10月に債券65億ドルの発行を行ったほか、2009年10月下旬には期間5年のイスラム債券約20億ドルも発行している。また、2010年になってからは4月に、ドバイの公益企業ドバイ電力水利庁が10億ドルの債券を発行し資金を調達している。

<営業債権者に600億円弱を返済したナキール>
 ドバイ首長国の政府系持ち株会社ドバイ・ワールド傘下のナキールが、債務再編成計画に基づき、営業債権者に25億ディルハム(600億円弱)を返済していたことが2010年8月21日、確認された。ドバイ発行の英語紙ハリージュ・タイムズが伝えたもの。同紙によれば、ナキールは営業債権者の約80%が新たな返済条件に合意したとしている。

 ナキールは2010年6月30日、営業債権者の持つ債権の支払いを開始したと発表していた。支払いによって停止中のプロジェクが再開することが期待されるほか、資金難に陥っていた下請け業者には朗報となっている。建設業界筋は「下請業者や建設資材の供給者には僅かな効果しかないかもしれないものの、資金が市場に廻り始めたとの事実は良い事であり、小規模の建設業者や下請け業者には助けとなる」「僅かであっても何もないよりは決定的に良い事だ」(ガルフ・ニューズ紙 2010年8月23日)とコメントしている。

 ナキールは2010年6月14日、「105億ドルの借り入れ及び未払い分の条件変更案について、与信者グループが全会一致で支持した」「新たな条件は与信者の中の調整委員会により原則支持された」「ナキールとしては今後数ヶ月で債務再編問題が解決すると見ている」(同上)としていた。

 ナキールのアリ・ルータフ会長はハリージュ・タイムズ紙に、同社が資産売却を考えていないことや、2010年10月に6プロジェクトを再開させ12~15ヵ月後には完成させようとしていると述べている。

(8月24日、記)
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(幹事 畑中 美樹<はたなか・よしき>)