![]() |
||
|
||
| (2010年8月27日掲載) |
||
2010年8月中旬、サウジアラビアの第9次開発5ヵ年計画(2010~2014年)が明らかにされた。新5カ年計画の投資総額は3850億ドルと前計画に比べて大幅な増加となった。特に第9次開発5ヵ年計画では投資額の半分以上を人的資源開発に配分しており、サウジアラビア政府が労働市場の必要とする人材を育成しようと教育・研修を通じて技能の備わったサウジ人を育てようとしていることが読み取れる。また新計画では、2009年時点では48%に留まっていた労働力に占める自国人の比率を、2014年には53.6%に引き上げることも目標として掲げている。 3850億ドルの投資額の配分先を経済部門別に見ると、人的資源開発が50.6%と第一位を占め、以下、社会開発・保健の19%、経済資源の16%、運輸・電気通信の8%、自治体サービス・住宅事業の7%となっている。サウジアラビア政府が今回改めて人的資源開発に注力する姿勢を鮮明にしたのは、自国民の若者の失業率が高いためである。因みに、第9次開発5ヵ年計画は、2009年時点では9.6%であった失業率を2014年末までに5.5%にまで引き下げることを目標として掲げている。但し、サウジ政府の最新のデータによれば、失業率は2009年8月時点で10.5%に達し、失業者数も同時点で44万9000人に達している。 サウジアラビアの失業者の大半は、20~24歳の年齢層のサウジアラビア国籍者である。イスラム原理主義組織は、この年齢層で失業中のサウジアラビアの若者を狙って勧誘活動を続けている。そのことを意識するかのようにサウジ政府は新計画において、技術専門学校25校、高等技術研究所28校、工業空レン研究所50校の創設を予定している。また新計画はサウジ人の大学生数を170万人に、小中高の生徒数を531万にそれぞれ増やすことも目標としている、このほか新5カ年計画は保健部門の拡大も目指しており、117の病院及び750の保健取り扱いセンターの新設を予定している。 尚、国連開発計画(UNDP)が毎年発表する人間開発報告書の2009年版によれば、サウジアラビアの人間開発指数(HDI)は対象182カ国中、59位とGCC諸国では最も低い順位に留まった。HDIは、平均寿命、教育の普及具合、購買力平価で見た所得の3つの基準で評価されている。 |
||
| (8月21日、記) |
||
| <関連情報> ●サウジアラビア鉄道機構(SRO)との機関車輸出契約及びマレーシア交通当局との電車車両納入契約を締結した中国南車【2010/7/30】 ●香港上海銀行HSBCの調査で明らかになった7四半期連続して改善を続けている湾岸企業の景況感【2010/7/30】 ●石油輸出収入増による経常収支と財政収支の黒字を背景に膨らむGCC諸国の海外運用資産残高【2010/7/23】 ●2010年の当初5ヶ月(1~5月)で約220億ドル増加したサウジアラビアの対外証券投資【2010/7/20】 ●2010年10月には販売開始予定のサウジアラビアのメッカ・メトロの乗車券【2010/7/16】 |
||
| (幹事 畑中 美樹<はたなか・よしき>) |