シーア派聖職者など10数人を暴力・破壊活動に関与していたとの容疑で逮捕したバハレーン政府
(2010年8月27日掲載)

 バハレーン政府は2010年8月中旬、暴力・破壊活動に関与していたとの容疑でシーア派聖職者など10数人を逮捕した。最初に逮捕されたのはシーア派の自由・民主主義ハク運動のアブドゥル・ジャリル・アル・シンガセ報道官で、2010年8月14日、ロンドンから戻ったところをバハレーン国際空港で逮捕された。バハレーン政府はアブドゥル・ジャリル・アル・シンガセ氏を危険人物と見なし長きに亘り警告を発してきた経緯がある。

 翌8月15日には、シェイク・ムハンマド・アル・モクダッドとして知られるムハンマド・ハビブ・マンスール・アル・サファフ氏、シェイク・サイード・アル・ヌーリとして知られるサイード・ミルザ・アフメド氏、シーア派活動家のアブドゥルガーニ・アリ・イーサ・ハニアル氏の3人が、国家の不安定化を目指したネットワークを構築しようとしていたとの疑いで逮捕された。

 バハレーン国家治安当局の高官は匿名を条件に、「このネットワークは、バハレーン王国の安定と国民の安寧、国民の生命と財産を脅かす違法行為に関わっていた」「この集団は、暴力とテロ活動を唱導する一方、モスク(寺院)を本来の目的以外で使っていた」「検察当局はアブドゥル・ジャリル・アル・シンガセ氏の自宅の捜索令状を発出した」(ミドル・イースト・オンライン 2010年8月18日)と逮捕の理由などを明らかにしている。因みに、アブドゥル・ジャリル・アル・シンガセ氏とシェイク・ムハンマド・アル・モクダッド氏は、2009年4月、国王の恩赦により釈放された178人の中に含まれていた。

 バハレーン治安当局は2010年8月17日になると、「2010年8月15日、ギャングの一団がタイヤを燃やし、火炎瓶を投げて国民の権益を犯した」「このため当局は必要な措置を講じ容疑者を検察当局に引き渡した」(ガルフ・ニューズ紙 2010年8月18日)との声明を発表し、さらに、少なくとも7人を逮捕した事実を公表している。シーア派の自由・民主主義ハク運動のアブドゥル・ジャリル・アル・シンガセ報道官の逮捕を契機として、新たな抗議活動が始まり警察部隊との衝突が起きていた。

 バハレーン政府の正義・イスラム関係省は、2010年8月17日、法を超えて結成された協会に対してはラマダン(断食)の終わるまで厳しく対応するとの趣旨の声明を発表し、こうした組織による如何なる違法行為も見逃さないとの決意を明らかにしている。尚、バハレーンで最大の協会勢力であるアル・ワファクは、独自に声明を発表し、国民に平静になり対話を重視するよう呼びかけている。因みに、現在問題となっている自由・民主主義ハク運動は、アル・ワファクの指導層との意見の相違から2005年11月に結成された組織である。

 バハレーンでは2010年10月23日及び30日に、国民議会(定員40人)及び自治体評議会(定員40人)の選挙が予定されている。

(8月22日、記)
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(幹事 畑中 美樹<はたなか・よしき>)