米国からF15戦闘機や132アパッチ攻撃用ヘリコプターなど600億ドルの軍事購入を行うサウジアラビアと次世代型F35戦闘機の購入を決めたイスラエル
(2010年8月24日掲載)

 サウジアラビアとイスラエルが米国からそれぞれ大型の軍事購入をすることが今般明らかとなった。サウジアラビアが購入を計画しているのは、F15戦闘機や132アパッチ攻撃用ヘリコプター、UH-60ブラック・ホーク・ヘリコプターなどで総額は何と600億ドル(約5兆4000億円弱)にものぼる。既に、米国務省と米国防総省は2010年8月上旬時点で、米議会に対してサウジアラビへの売却計画の内容を通知している。但し、米国防総省が議会に公式に通知するのは2010年9月中頃の見込みである。

 新米国財団のウィリアム・ハートゥン・軍備安全保障イニシアチブ部長は「サウジアラビアの取引は史上最大規模のものとなろう」「これまで大規模と考えられてきた1992~1993年のF15戦闘機72機の売却(90億ドル)や1981年の空中警戒機AWACSの獲得(90億ドル)ですら、インフレ率を考慮に入れても小さく見えてしまう」(ペニンシュラ紙 2010年8月15日)とコメントしている。600億ドルの内訳は、F15戦闘機84機の購入が300億ドルで、UH-60ブラック・ホーク・ヘリコプター72機、AH-64Dロングバウ・アパッチ・ヘリコプター60機及び部品・訓練・長期兵站支援等で300億ドルである。

 ロングバウ・アパッチ・ヘリコプターについては、米国はエジプト、イスラエル、ギリシャ、クウェイト、UAE、オランダ、シンガポール、台湾に売却済みである。オバマ米政権はイランの攻撃能力の向上に備えるために、中東の同盟国の防衛力を強化する戦略を進めている。このためウィリアム・ハートゥン・軍備安全保障イニシアチブ部長は「過去においては湾岸のような緊張している地域への大規模な軍事取引は議会で大きな反対を受けたが、今回はそのようなことはなさそうだ」(同上)と見る。

 他方、サウジアラビアへの軍事輸出を考える上で米議会が気にするイスラエルのバラク国防相は、2010年8月15日、次世代型F35戦闘機20機を調達する計画(総額27億ドル、約2300億円)を承認した。引渡し時期は2015年から2017年になる見込みである。イスラエル国防省は「バラク大臣は原則としてイスラエル国防省の推薦を承認したので、計画通り進めるものとした」(ガルフ・タイムズ紙 2010年8月16日)との趣旨の声明を発表している。また、同声明は「ロッキード・マーチン社が開発中のステルス性能を具備するF35戦闘機は中東におけるイスラエル軍の優位性を維持し、技術面での優位性も保つことになろう」(同上)としている。尚、イスラエルは同機を共同開発した8カ国以外では、購入を契約する最初の国家となる。

(8月21日、記)
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(幹事 畑中 美樹<はたなか・よしき>)