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| (2010年8月24日掲載) |
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アメリカの対イラン制裁のためにロシアのイラン向け旅客機の引渡しが出来なくなっているようだ(アラブ・ニューズ紙 2010年8月3日)。実際、イリューシン・ファイナンス社のアレキサンダー・ルブツォフ部長はロイター通信に「イラン向けツポレフ204の引渡しは、アメリカの対イラン制裁に違反するだろう」と語っている。 同社は、ロシア国営の航空持ち株会社ユナイテッド・エアクラフト(UAC)の子会社でロシア最大の航空機リース会社である。ツポレフ204機は、ツポレフ設計局が開発した210人乗りのロシアの最新鋭の双発旅客機である。この旅客機に搭載するPS-90A2エンジンは、ロシアの航空機エンジン・メーカーのペルム・エンジン社が、アメリカのコングロマリットであるユナイテッド・テクノロジーズの一部門であるプラット・アンド・ホイットニー社との技術提携によって製造している。アメリカの対イラン制裁によってプラット・アンド・ホイットニー社がエンジン部材の提供ができなくなってしまった。 ルブツォフ部長は、アメリカ側がいつ制裁対象であることを伝えてきたかについては発言を控えている。但し、同部長は、搭載エンジンを国内調達できる初期のエンジンPS-90Aに仕様変更してイラン側に提案することになろうと語っている。 アラブ・ニューズ紙の記事は、このイラン向け商談の具体的内容には触れてないものの、イラン航空の子会社イラン・エアー・ツール向けにイリューシン・ファイナンスを通じてツポレフ204を5機輸出する商談と思われる。イラン向け輸出はツポレフ204にとっては初の国外向け商談であり総額1億8,000万ドルの大型案件と言われている。因みに、イランはロシアのリース会社から、保守サービスを条件とする維持・補修(メインティナス)リースを受けることになる模様だ。 ロシア政府は、イラン政府との貿易関係を天秤にかけながら、イランの核兵器開発を目的とする活動阻止を求める国連と良好な関係を維持しようと努力している。イランの核兵器保有を許さない国際行動は統一されたものであるべきであるとして、アメリカが独自に一方的な制裁を課したことを強く非難している。周知のように、4本目となる国連安保理の対イラン制裁では、ロシアの地対空ミサイル、原子炉のイランへの売却を禁止していない。だが、今回の民生用旅客機のイランへの引渡し停止かとのニュースが事実であるとすれば、抜け道を許さないアメリカ対イラン制裁措置の実効性が証明されたことになろう。 |
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| (8月13日、記) |
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| <関連情報> ●イランを追い込める一環の追加制裁措置として新たに21企業の社名を公表した米財務省【2010/8/10】 ●対イラン制裁の履行を確実なものとするために各国を説得に回る米国と無条件交渉に言及し始めたイラン【2010/8/3】 ●外相理事会で追加制裁措置の発動を決めた欧州連合(EU)と前提条件なしでの交渉を表明したイラン【2010/7/30】 ●イランは核兵器製造能力の獲得に近づいていると発言し同国に対話を促したロシアのメドベージェフ大統領【2010/7/16】 ●UAEが国連追加制裁対象企業41社の口座凍結を決め欧州石油企業2社がイラン取引から撤退するなか、イラン核専門家との核燃料交換の議論を呼びかけた露仏米【2010/7/2】 |
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| (中東問題研究家 江添 久義<えそい ひさよし>) |