対イラン制裁の履行を確実なものとするために各国を説得に回る米国と無条件交渉に言及し始めたイラン
(2010年8月3日掲載)

 米政府は2010年7月29日、対イラン制裁の履行を確実なものとするために同国政府高官を中国、日本、韓国、UAE、ブラジルなどに派遣することを明らかにした。ロバート・アイホーン米国務省特別顧問(核不拡散・軍備管理担当)が2010年7月29日、下院監督・政府改革委員会の公聴会で次のように証言し、イラン制裁の実効性を高めるために主要国を訪問することを明らかにしたもの。

自分とダニエル・グレーサー米財務省次官補(テロ金融・金融犯罪担当)が8月末に中国を訪問する。
我々は中国が国連制裁を時宜通り履行する必要があると考えており、また、責任ある国家が制裁で履行した穴を埋めるような動きを取らないよう中国に求めたい。

 ロバート・アイホーン米国務省特別顧問(核不拡散・軍備管理担当)とダニエル・グレーサー米財務省次官補(テロ金融・金融犯罪担当)は、同じ目的で2010年8月2日に韓国を訪問し、8月3日には日本を訪問している。スチュアート・レビ米財務省高官が同じ目的でUAE、レバノン、バハレーンを訪問するほか、別の政府高官がブラジルとエクアドルを訪れる。

 ロバート・アイホーン米国務省特別顧問(核不拡散・軍備管理担当)は、中国について次のようにも語っている。

中国はブーム状態にある自国の経済のためにエネルギー安全保障上のニーズがあると論じている。
我々は中国がエネルギー安全保障の目標以上にエネルギーを確保していると見る。
我々は中国が優先順位を付け直す必要があると考える。
イラン問題では今後数週間、数ヶ月に渡って中国が高度の関心対象となると思う。

 さらに米政府高官のジョセフ・クリストフ氏も、下院監督・政府改革委員会の公聴会で次のような意見を述べている。

米国は中国に注意を払う必要がある。理由は、国際的且つ一方的な制裁も中国の姿勢を変えていないからだ。
歴史的にイランと緊密な関係にあり、今ではイラン向け財・サービスの第一位の輸出国であるUAEにも焦点を当てる必要がある。

 こうした中、イランのアリ・アクバル・サーレハ原子力庁長官は次のように語り、米ロ仏などで構成するウィーン・グループとウラン燃料の交換で、何ら条件抜きに直ちに協議する用意があるとしている。

イランは、例え数日後からでも交渉を開始する用意がある。
いわゆるウィーン・グループとの協議はウィーンで行われることになろう。
イランは既にウィーン・グループが提起した疑問に回答している。
しかし、その他にも技術的な質問があれば別途協議で説明しよう。
20%濃縮ウランのイランでの備蓄には反対である。
我々は現下のところテヘランの研究炉用に20%濃縮のウランを必要としている。
以前にも言ったように、20%濃縮ウランは費用分のみ製造している。我々は20%濃縮ウランを備蓄したくない。

(8月1日、記)
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(幹事 畑中 美樹<はたなか よしき>)