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| (2010年4月20日掲載) |
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米国のオバマ政権による舞台裏での対イラン経済圧力が益々強化されているようだ。過去数週間だけで、幾つもの国がイラン原油の輸入量を減らしているほか、何社もがイラン向け石油製品の供給を止めている。イランからの原油輸入量を削減した国には中国、インド、日本も含まれている。こうした経済圧力は通常明らかにされないものだが、ここに来て米政府高官が公言しはじめている。 例えば、ウィリアム・バーンズ米国務省次官補は、米議会で、「我々が行おうとしているのは、我々が自由に仕える梃子を活用して外国企業等にイラン経済との関係を断たせることである」と証言している。この点について、エネルギー専門誌であるプラッツのケイト・ドリアン・ドバイ在住アナリストは、以下のように言っている。 ★(米国によるイラン)締めあげは続いている。 ★イランと直接商売を使用とする国家・企業は少なくなりつつある。 イラン石油輸出組合のハミッド・ホセイン会長も、この点に関しては次のように語り認めている。 ★イラン原油の中国、日本、インド向け輸出量は削減された。 ★但し、それでもイランの全輸出量に影響はない。 イランの原油輸出量の減少については、トレーダーの中にもイランが割高の価格設定をしたことや供給過多の状況下で重質油が売れにくいことが一因ではないかと指摘する向きもある。イランの産油量そのものについても376万B/Dという高めの推計がある一方、350万B/Dという低めの見方もあり判然としていない。もっとも中国などがイランの原油輸入量を引き下げている点は確かなようだ。何故ならば、ハミッド・ホセイン・イラン石油輸出組合会長も、中国の輸入量が40万B/Dから20万B/Dに半減したことを認めているからだ。 イラン原油の輸入量については日本も削減しているし、インドの石油会社リライアンスも減らしている。イランにとってリライアンスは、同社の製油所がイラン重質油の精製に適していることもあり重要な顧客であった。因みに、これまでリライアンスは10万B/D前後のイラン原油を輸入してきた。同時に、リライアンスはイランにとって石油製品の重要な供給者でもあった。それだけにリライアンスによる石油取引停止はイランにとって痛手といえそうだ。同社のほか、ルクオイル、BP、シェル、トラフィルガ、ヴィトール、グレンコ、IPGもイランとの石油取引を停止したか、取引量を小さくしている。 イランとの石油取引の中止に動く国家や企業がある一方、新たに取引を開始する国家や企業もいる。例えば、トルクメニスタンやベネズエラ、クウェイト等は対イラン石油取引量の増加を狙っているし、欧米メジャーズでもフランスのトタルは依然イランへの石油製品の供給を続けている。そうは言っても、米国による圧力の高まりのため、イランは石油製品を輸入するにしても以前に比べて高価格でせざるを得なくなっているようだ。その意味では、米国の狙いは達成されたと見ることも出来よう。 今一つ米国の注力しているのが欧米金融機関による対イラン取引の停止である。米財務省高官が少なくとも2度に亘り欧州諸国を訪問し、各国の金融機関に対して米国と取引するかイランと取引するかの二者択一を迫ったと言われる。こうした動きのためかイラン向け及びイランからの資金送金は益々困難となっているし、欧米系銀行で信用状を開設することはほぼ不可能となっている。 米国がイランに経済圧力をかけているのは核開発交渉でのイランの妥協を引き出すためであるのは間違いない。但し、イランは少なくとも現時点では妥協に応じる気配を見せていない。もっとも米国や欧州の一部諸国は、対イラン経済圧力の成果が出るまでの期間を今少し長く考えているのかもしれない。高まる経済圧力によってアハマディネジャド大統領の権力基盤を徐々に弱め、さらには、イラン国民による現体制への支持を益々後退させる点に真の狙いが隠されているふしもうかがえるからである。 |
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| (4月19日、記) |
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| <関連情報> ●欧州やロシア企業が供給を停止するなかイラン向けガソリン輸出を開始する中国石油企業【2010/4/16】 ●心理戦の一環か浮上し始めたイスラエルによるイラン核施設に対する戦術核を使用した軍事攻撃の可能性【2010/4/13】 ●イスラエルからも参加者のあったバハレーンで開催の「原子力技術国際会議」【2010/4/9】 ●2010年度予算の修正を求めるアハマディネジャド大統領と524社を対象とする民営化計画【2010/4/6】 ●イラン核問題で「適切且つ強硬な措置」を求めた主要8カ国(G8)外相会合【2010/4/2】 ●ルクオイル(露)のイラン石油事業の停止とイラン説得を試みていたロシアと中国【2010/3/30】 |
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| (国際エネルギー問題研究家 江古田 省一<えこだ しょういち>) |