アルゼンチン石油企業に出資する中国海洋石油(CNOOC)とアンゴラの上流権益を購入した中国石油化工股份有限公司(Sinopec)
(2010年4月9日掲載)

 中国海洋石油(CNOOC)は2010年3月中旬、アルゼンチンのブリダス・エナジー・ホールディングの子会社ブリダスの株式50%を31億ドルで購入することを明らかにした。今回の中国海洋石油(CNOOC)の出資によりブリダスの株式保有比率は、中国海洋石油(CNOOC)とブリダス・エナジー・ホールディングが各50%となる。

 アルゼンチンのビジネスマンであるカルロス・ブルゲロン氏の傘下にあるブリダスは、アルゼンチン最大の原油輸出企業でチリ及びボリビアに石油・ガス資産を持つパン・アメリカン・エナジーの株式40%を保有する。因みに、パン・アメリカン・エナジーの残る株式60%はBPが保有している。パン・アメリカン・エナジーは1997年9月、アモコとブリダスのアルゼンチン部門が合併して誕生した企業である。その後、1998年8月にBPが購入した。アルゼンチンで最大の原油生産企業はスペインのレプソールYPFだが、中国海洋石油(CNOOC)は、かねてからスペインのレプソールYPFの子会社であるアルゼンチンYPFの株式の取得に関心を示していた。

 中国海洋石油(CNOOC)の声明は、「我が社は2008年12月から外国企業との協力拡大に努力してきたが、今回の出資は中南米進出の足がかりとなる重要な取引である」と述べている。尚、同声明によれば、ブリダスが2009年末時点で保有する確認埋蔵量(原油換算)は6億6300万バレル、また産油量は(同左)9.2万B/Dである。

 他方、中国第二の石油企業で、中国海洋石油(CNOOC)の競争相手でもある中国石油化工股份有限公司(Sinopec)は、2010年3月下旬、アンゴラの上流資産を24.6億ドルで購入することを明らかにした。具体的には、同社の香港の関連企業が中国石油化学公司からアンゴラの深海部の資産を持つソナンガル・Sinopec・インターナショナルの株式55%を購入するものである。

 中国最大の精製企業として知られる中国石油化工股份有限公司(Sinopec)にとって今回の動きは、一定の収益を確保するための自衛手段の意味がある。何故ならば、中国政府がインフレーションのさらなる悪化を懸念して国内石油製品価格の引き上げに後ろ向きであるためである。今後、一層の収益確保のため、中国石油化工股份有限公司(Sinopec)がさらなる海外上流資産の獲得に動くことが予想される。因みに、今回のアンゴラ上流権益取得で、中国石油化工股份有限公司(Sinopec)の原油埋蔵量は3.6%増、原油生産量は8.8%増となった。尚、同社は今後、特に北アフリカ、カスピ海、中南米での上流資産の獲得を目指すと見られている。

(4月4日、記)
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(国際エネルギー問題研究家 江古田 省一<えこだ しょういち>)