2010年でのOPECの減産は必要ないとの見方を示したヌアイミ・サウジアラビア鉱物資源相
(2009年9月29日掲載)

 サウジアラビアのアリ・ヌアイミ鉱物資源相は、2009年9月22日、アブドゥラ国王科学技術大学(the King Abdullah University of Science and Technology、Kaust)の開校式に先立ち、最新の原油の供給と需要のデータに基づけば2010年でのOPECの減産は必要ないとの自らの見方を明らかにした。同日のアリ・ヌアイミ鉱物資源相の主な発言内容を紹介すれば次の通りであった。

サウジ原油に対する需要が増加しつつあるのは、世界経済が景気後退から回復しつつある証左と言えよう。
現在の需要と供給に関する推計に基づけば、勿論、現時点では(OPEC減産は)必要ない。
市場は大変活発だが、市場の状況は動いている標的と同じなので誰にも分からない。
自分としては(経済が)早期に回復し、需要に影響を与えてほしいと思っている。
もし需要が増加すれば供給はそれに応じなければならない。
サウジアラビア原油への需要は増えているので、少なくとも自分は、経済成長が始まっており継続すると考えている。
原油価格が1バレル当たり70ドルから80ドル近辺に留まっている限り、新たな供給につながる投資は続くだろう。
現在、世界には多くの余剰生産能力がある。(そこに新規能力の追加が加われば)、将来の供給不足は起こらないだろう。
サウジアラビアの現在の産油量は約800万B/Dで、生産能力は1250万B/Dである。
サウジアラムコとダウ・ケミカル(米)との新規巨大石油化学事業の推計投資額は、当初の200億ドル(約1兆9000億円)から170億ドル(約1兆6000億円)に低下した。

 OPECは2008年を通して原油生産量を420万B/D削減することを決め、それによって、2008年12月には1バレル当たり32.40ドルまで落ち込んだ原油価格を70ドル近辺まで戻すことに成功した。但し、OPEC加盟国の減産遵守率は過去数ヶ月間落ちている。このため世界の石油在庫は過去5年の平均を上回った水準に留まっている。こうしたこともあって、一部の石油専門家は、原油市場を均衡させるためにOPECは2010年に再度減産しなければならないと見ている。

(9月23日、記)
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(国際エネルギー問題研究者 江古田省一<えこだ・しょういち>)