最悪期を脱し再び成長過程に入ったと語るスルタン・アフメド・ビン・スレイヤム・ドバイ・ワールド会長
(2009年9月29日掲載)

 ドバイ・ワールドのスルタン・アフメド・ビン・スレイヤム会長は2009年9月下旬、次のように語り、再び成長過程に入ったとの見方を明らかにした。

ドバイ・ワールドは、機構再編と新たな経営陣の任命を終えたので、これからは新しい成長軌道を辿ることになろう。
ドバイ・ワールドとドバイを取り巻く状況について言えば最悪期は終わった。
ドバイ・ワールドの状況は遥かに改善し、大半の計画をそのまま実行に移すために前進して行く。
ドバイ政府が経済回復を支援する手段を講じているので、ドバイは近々高い成長軌道に戻り、投資家の信認も戻るであろう。
ドバイ政府の採った政策はドバイ経済に対する信頼を呼び戻しているので、銀行家もプロジェクトに融資する用意が出来ている。

 周知のように、ドバイ・ワールドは2009年9月17日、融資者に債務の返済が可能であることを示すために、経営陣と不動産・ホテル事業を、不動産部門を受け持つナキールからバーニーズやシルク・ドゥ・ソレーユを保有する投資会社イスティスマール・ワールドに移している。異動となった経営陣は、アンディ・ワトソン氏がイスティスマールの最高投資責任者に、ビノド・ナラシムハン氏が最高財務責任者に、サンデシュ・パンダーレ氏が常務取締役に、それぞれ任命された。以上のほか、ドバイ・ワールドは、ハムザ・ムスタファ氏をイスティスマールの常務取締役(不動産担当)に任命している。ハムザ・ムスタファ氏は、これまではナキールが進めるワールド・プロジェクトの総支配人を務めていた。これら4人の新役員は、今後、イスティスマールのデービッド・ジャクソン最高経営責任者(CEO)に事業の状況を報告することになる。

 さらに、ドバイ・ワールドは、ジャマル・マジッド・ビン・サニア氏をグループ最高経営責任者(CEO)に、またマリヤム・シャラフ女史をグループ最高執行責任者(COO)に任命した。両ポストは新たに設けられたもので、グループ全体の業務を無駄なく進めるための措置と説明されている。ジャマル・マジッド・ビン・サニア氏は、DPワールドの副会長であり、グループ企業の事業計画を見直す作業委員会を率いていた。マリヤム・シャラフ女史は、後継者が決まるまで、それまで務めていたグループ最高財務責任者の地位も兼務する。このほか、アブドゥル・ワヒッド・アル・ウアラマ氏が、グループ副会長(小売部門担当)に任命されている。

 ドバイ・ワールドはこうした人事異動について、進行中のグループ・レベルでの機構再編の一環と声明の中で説明している。尚、ナキールのホテル部門の責任者であったジョー・シタ氏は同社を退職した。既に、イスティスマールのデービッド・ジャクソン最高経営責任者(CEO)及び、ジョン・アマト及びフェリックス・ハーリヒ共同最高投資責任者(共同CIO)も前の週に退社している。ドバイ・ワールドは、2009年6月、GMの再建のアドバイスに当たってきたアリックスパートナーズと、グループの事業と機構の再編のために契約していた。

(9月26日、記)
<関連情報>

過去15ヶ月間で国内で営業する銀行に1210億ディルハム(330億ドル超)の資本注入を行ったアラブ首長国連邦(UAE)政府【9/18】

債務再編を金融機関と協議中のドバイ・ワールドと事業再編で投資を中止するドバイ政府系企業イスティスマール【9/14】

買収した米百貨店バーニーズの債務状況の改善策を検討するドバイのイスティスマール【9/4】

政府系コングロマリットであるドバイ・ワールドの2008年末の総債務は590億ドル【8/28】

シェイク・ムハンマド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥーム・ドバイ首長兼UAE副大統領の首長令で決まった「ドバイ金融支援基金」の会長・副会長・役員達【8/18】

(幹事 畑中 美樹<はたなか・よしき>)