時価総額サウジ第2の銀行Sambaの役員会会長を辞任したサウド・ビン・アブドゥル・アジズ・アル・ゴザイビ氏
(2009年9月18日掲載)

 時価総額でサウジ第2の銀行であるSamba金融グループは、2009年9月13日、声明を発出し、理由には触れずサウド・ビン・アブドゥル・アジズ・アル・ゴザイビ役員会会長が辞任したことを明らかにした。周知のように、サウジアラビア東部のアル・コバールに本社を置くアル・ゴザイビ家の持株会社アフマド・ハマド・アル・ゴサイビ&ブラザース社(略称、Ahab)は、バハレーンにある同社の関連銀行が支払い不能に陥り法廷闘争に巻き込まれている。

 アル・ゴザイビ家は、同家の女性と結婚し姻戚関係となったサアド・グループの創始者マアン・アル・サネア氏が100億ドルを不正に使用したとして非難している。ただし、サアド・グループの広報部長は、2009年8月1日、同社としては法廷での審理を通じて答えるとしていた。両グループは、BNPパリバやシティ・グループ、アラブ・バンクなどを含む80超もの国際的及び地域的銀行から、少なくとも合計157億ドル(約1兆4900億円)を借り入れている模様である。スタンダード・チャータード銀行は、2009年8月26日の報告書で、この中の50億ドル(約4700億ドル)はサウジ国内銀行からのものと推計していた。

 Samba金融グループは、2008年末時点では時価総額1789億サウジ・リアル(約478億ドル、約4兆5400億円)で国内第2位の規模を誇っている。アフマド・ハマド・アル・ゴサイビ&ブラザース社(Ahab)は、UAEのマシュレク銀行から支払い不能に関してニューヨークで訴えられている。サウジアラビア通貨庁(SAMA)は2009年6月、マアン・アル・サネア氏の個人口座を凍結しているが、ゴザイビ家の構成員にも同様の措置を採ったと言われている。

 サウジアラビア通貨庁(SAMA)のムハンマド・アル・ジャシール総裁は不安の広がりを押さえるように、2009年9月上旬、「両グループの負債はサウジアラビアの銀行にとって脅威とはならない」「ただし、収益性には影響が出るだろう」「また、両グループの事件がサウジ国内のビジネスや名声にも影響を与えると思われるので、サウジ政府は動向監視委員会を設置しており適切な対策を講じて行く」(アラブ・ニューズ紙 2009年9月14日)と述べていた。

 尚、サウジアラビアの公共年金庁(Public Pension Agency、PPA)は2009年9月12日、Sambaの持株比率をそれまでの10.2%から12.4%に引き上げた。ただし、同行の第1株主である公共投資基金(The Public Investment Fund、PIF)の保有比率は22.9%と同じである。さらに第3株主の社会保険庁(the General Organization for Social Insurance、GOSI)の保有比率11.4%も同じである。因みに、第4株主はマアン・アル・サネア氏で保有比率は7.8%である。

(9月16日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)