過去5年間で公的債務残高を61%も削減することに成功したサウジアラビア
(2009年9月8日掲載)

 サウジアラビア通貨庁(SAMA)が2009年9月6日に公表した公式統計によれば、同国は原油価格の上昇による石油収入の増加から過去5年間で公的債務残高を61%も削減することに成功した。その結果、公的債務のGDPに占める比率は、2004年末の約65%が2008年末には約13%(=13.4%)にまで劇的に低下している。因みに、同比率は1999年末には史上最悪の119%に達していた。

表1 サウジアラビアの公的債務残高(2004~2008年末)
(単位:億ドル)
年  末 2004 2005 2006 2007 2008
残  高 6106 4596 3646 2667 2350

表2 サウジアラビアの年別公的債務返済額(2004~2008年)
(単位:億ドル)
各  年 2004 2005 2006 2007 2008
金  額 1090 1944 1310 1090 320.2

 サウジアラビアの公的債務の返済額は2005年に既往ピークの1944億サウジ・リアルを記録した。その後、返済額は急速に減少しており、2008年には僅か320億2000万サウジ・リアルにまで低下している。ただし、サウジ政府は、次に見るように他方で借り入れも引き続き行っている。

表3 サウジアラビアの年別新規借入額
(単位:億ドル)
各  年 2004 2005 2006 2007 2008
金  額 594 414 359 111 2.98

 2006年の場合、財政黒字が2800億サウジ・リアルを記録したにも関わらず、359億サウジ・リアルもの借り入れを行った。2009年の場合、サウジ政府は歳入欠陥を補うために在外資産の一部取り崩しを行っている。このため、2009年末時点での公的債務残高は2008年末の水準と大きく違わないであろうとの見方が有力となっている。因みに、2008年末には1兆7000億サウジ・リアルであった在外資産は、2009年7月末では1兆5000億サウジ・リアル減少している。

 サウジ・ジャドワ投資は、サウジアラビアは2008年末には公的債務を全額返済できる在外資産を持っていたが、意図的に債務を残し今日を迎えていると指摘する。その理由として、同社は債券の発行(による公的債務の増加)が過剰流動性の吸収につながる一方、公的債務の返済は債券を購入してきた銀行への資金の還流になるので、銀行による融資の拡大を通じたインフレの悪化が懸念されるためと分析している。

(9月7日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)