買収した米百貨店バーニーズの債務状況の改善策を検討するドバイのイスティスマール
(2009年9月4日掲載)

 ドバイのイスティスマールは、2009年9月1日、買収した米百貨店バーニーズの債務状況の改善策を検討していることを明らかにした。バーニーズが債務のリストラクチャリングか、或いは破産法の適用の申請を検討しており、そうなれば同社を買収したイスティスマールが経営権を喪失する可能性があるとの一部の報道を受けてイスティスマールが発表したもの。

 イスティスマールが電子メールによって発表した声明は「我が社はバーニーズの経営に完全に係わっており、同社の経営陣を支援している」「現在は小売業者にとっては厳しい時であるが、我が社はバーニーズの財務状態の改善に向け積極的に働き掛けて行く」(エミレーツ・ビジネス 24/7紙 2009年9月2日)と述べ、バーニーズの財務状態を改善する努力を続ける決意を表明している。

 イスティスマールは2009年8月、バーニーズの財務状態の是正を目指して、助言に当たる企業を雇用している。イスティスマールが日本のユニクロとの激しい競争の末にレバレッジ・バイ・アウト(LBO)によってジョーンズ・アパレル・グループからバーニーズを買収したのは2007年のことで、買収額は9億4230万ドルにものぼった。実は、この時にイスティスマールの資金調達を支援したヘッジファンドのペリー・キャプタルが、ここに来てカナダのデパート・チェーンのホルト・レンフリューからバーニーズを共同買収するとの提案を受けている模様である。カナダの億万長者であるガレン・ウェストン氏が所有するホルト・レンフリューは、本拠地のトロントのほか、モントリオール、バンクーバーなどに出店している。

 格付け会社のムーディーズは2009年7月、86年の歴史を誇るバーニーズの格付けを、販売不振と債務増加による財務状況の悪化を理由に2段階引き下げ、債務不履行(デフォルト)の3段階上の格付けとしている。ただし、オーナーを含むバーニーズ側は、依然選択肢を検討している段階であり、最終決定は下していないとしている。今考えられているシナリオの一つは、イスティスマールが資金支援を続けるというものである。だが、カリフォルニア州の小売経営コンサルタンツのジョージ・ワリン社長は「バーニーズが生き延びる唯一の道は、(良い)パートナー企業を選ぶことである」(同上)と述べ、カナダのデパート・チェーンのホルト・レンフリューの提案を受け入れるのが最も現実的との見方をしている。

(9月2日、記)
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(幹事 畑中美樹<はたなか・よしき>)